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title: 「食」という圧倒的な地域資源を軸に。山口県阿武町にオープンした「ABUキャンプフィールド」にみる地方創生
description: 「ABUキャンプフィールド」がオープンした山口県阿武町。阿武町のまちづくりにおいて、至れり尽くせりな施設にはどんな狙いがあるのでしょうか？阿武町で地方創生事業に取り組む一般社団法人STAGEの田口壽洋（としひろ）さんと石坂浩平さん、阿武町役場のまちづくり推進課、岡村未莉（みり）さんにお話をうかがいました。
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2022/06/24

# 「食」という圧倒的な地域資源を軸に。山口県阿武町にオープンした「ABUキャンプフィールド」にみる地方創生

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![「食」という圧倒的な地域資源を軸に。山口県阿武町にオープンした「ABUキャンプフィールド」にみる地方創生](https://lab.smout.jp/hubfs/2022_0423_121.jpg)

山口県北部の日本海に面した人口3,000人のまち、[阿武町](http://www.town.abu.lg.jp/)。過疎に悩む自治体が多く存在するなかで、阿武町は人口減少が40年も先行し、基幹産業である漁業や農業の担い手不足が深刻な問題になっています。まちにはコンビニがなく、大きなショッピングセンターもありません。それなのに、阿武町には毎年コンスタントに若い世代の移住があるといいます。

そんな阿武町が今年3月12日に地方創生交付金を利用して海岸沿いの道の駅の隣に2万3千平米の「[ABUキャンプフィールド](https://abucampfield.jp/)」をオープンさせました。日本のアウトドア界を牽引するスノーピーク地方創生コンサルティング監修で、海を望むカフェが併設されています。

![02　鳥瞰](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/02%E3%80%80%E9%B3%A5%E7%9E%B0.jpg?width=6720&name=02%E3%80%80%E9%B3%A5%E7%9E%B0.jpg)ABUキャンプフィールド全景（提供写真）

![2KKP5790KKP_4159](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2KKP5790KKP_4159.jpg?width=2048&name=2KKP5790KKP_4159.jpg)キャンプサイトから夕日が沈むのが見える（提供写真）

![カフェ店内](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E5%BA%97%E5%86%85.jpg?width=2048&name=%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E5%BA%97%E5%86%85.jpg)管理棟に併設のSUNbashi CAFÉ（サンバシカフェ）。地元産の木材が使われている（提供写真）

しかし、このABUキャンプフィールドは、自然の中に出かけていくようなキャンプ場とはちょっと違うのです。それはフラットな芝のフリーサイトとほぼひとつながりで「漁港」があるということ。キャンプをしながらすぐそこに漁師の生業が見える上に、キャンプ場から集落までは歩いて5分もかかりません。キャンプ場にしては、まちの暮らしとの距離が近いですよね。しかも、隣は日本海を望む温泉施設が併設された道の駅。

いったい阿武町のまちづくりにおいて、この至れり尽くせりな施設にはどんな狙いがあるのでしょうか？阿武町で地方創生事業に取り組む一般社団法人STAGEの田口壽洋（としひろ）さんと石坂浩平さん、阿武町役場のまちづくり推進課、岡村未莉（みり）さんにお話をうかがいました。

![2022_0424_479](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0424_479.jpg?width=6870&name=2022_0424_479.jpg)ABUキャンプフィールドは、漁港が目の前！

## **「入ってくるものを増やす」場所として、キャンプ場をつくる**

人口減少と産業衰退を目下の課題とする阿武町。1950年代は1万人ほどだったまちの人口は、高度成長期を待たずに減少へと転じ、現在ではその30％にまで落ち込んでいます。そんな待ったなしの状況の中で、阿武町の地方創生事業はどのように進められてきたのでしょうか。この事業を担当している岡村未莉さんはこう言います。

**岡村さん**「もともと人口減少が早いタイミングで進んでいたので、まちとしては2007年に空き家バンク制度を取り入れるなど、早めの移住政策を行なってきました。その後、全国的に地方創生という言葉が使われ始めたのが2015年頃ですから、阿武町でも地方創生事業を行うことになりました。若手の役場職員が中心となって市民に聞き取り調査を行い、外部の方たちの協力を得ながら、町の抱える課題を抽出し、意識改革のタネをまいていったのが始まりです。」

![2022_0423_113](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0423_113.jpg?width=5632&name=2022_0423_113.jpg)阿武町役場まちづくり推進課の岡村未莉さん

その取り組みとして、空き家を手放す人への心理的負担をやわらげる『空き家ノートプロジェクト』や季節や収穫量に合わせた期間限定の働き方を斡旋する『1/4ワークスプロジェクト』などが行われ、さらに2016年には、町民はもちろん、阿武町に興味のある方なら誰でも参加できるまちづくりの場として『[21世紀の暮らし方研究所](http://www.town.abu.lg.jp/)』が誕生します。

**岡村さん**「これまでは、地方創生のソフト面を長い時間をかけて耕してきました。いよいよハード面を整備する段階となり、このABUキャンプフィールドに至るわけです。」

阿武町にキャンプ場をつくることを提案したのは、阿武町のまちづくりのキーパーソンであるSTAGE代表理事でプランナーの田口壽洋さんです。

田口さんは、学生時代から素潜りの魚突きにハマり、東京の広告業界、IT業界などで仕事をしながら、「全国でもトップクラスの海」がある阿武町に20年来通っていた人。2014年には阿武町から1時間ほどの島根県津和野町で地域おこし協力隊に入り、少人数で行う環境負荷の少ない自伐型林業を牽引してきました。林業を選んだ理由は、「海の状況が悪くなって思うように魚が取れない。それなら一番上流の林業をやれば、海もよくなるのではないか」という、環境循環を踏まえたロジカルな考え方から。しかし、いざ林業に携わってみると、今のやり方では海も山も変えられないことに気づいたといいます。

![2022_0423_075](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0423_075.jpg?width=6240&name=2022_0423_075.jpg)一般社団法人STAGEの代表理事を務める田口壽洋さん

**田口さん**「結局、暮らしの中に木が使われていないと林業は成り立たちません。環境循環だけでは限界を感じていたところ、島根で中山間地域の研究をしている藤山浩さんの本（『循環型経済をつくる』農山漁村文化協会）で『漏れバケツ理論』に出会い、これだと思いました。

つまり、地方での生活は、どれだけ給料を上げても雇用を増やしても、結局他所での買い物やエネルギー購入などで出ていく方が多くなる。それならば、出ていくものを減らし、入ってくるものを増やすことを同時に行う必要があるなと、イメージできたんです。ちょうどその頃、阿武町の地方創生事業に誘われて。やるなら地域の経済循環を変えていくしかないと思いました。そこで、僕は『入ってくるものを増やす』場所として、キャンプ場を考えたんです。

![m_morebaketu1](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/m_morebaketu1.png?width=600&name=m_morebaketu1.png)「漏れバケツ理論」は、New Economics Foundation（NEF）が打ち出した概念で、地域を「バケツ」にたとえて地域内経済循環の効果を説明するユニークな考え方。多くの場合、せっかく地域に注ぎ込まれたお金の多くは、すぐに地域外に漏れ出てしまうことが指摘されている。

まちとしては、キャンプ場をつくるという提案をどのように受け止めたのでしょうか。

**岡村さん**「キャンプ場がある場所は、以前、漁業振興のためにまちが埋め立ててつくった漁港の一部で、長らく遊休地になっていました。かたや、『道の駅阿武町』は、全国で最初にできたため『道の駅発祥の地』と呼んでいますが、それ以上でも以下でもなくて。年間40万人くらい利用者がいらっしゃいますが、ものを買ってくれる量には限界がありますし、まちに人が流れるのもここでストップがかかってしまいます。町内にはほかに滞在場所もなく、遊ぶ場所もないことが懸案事項でした。ですから、キャンプ場であれば滞在性を高めて消費につなげられますし、結果、まちの遊休地活用、町の活性化にもなると思ったんですね。」

阿武町の地方創生事業は大きく3つのプロジェクトに分かれると、田口さんは言います。

![abucho](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/abucho.jpg?width=1560&name=abucho.jpg)

田口さん「ひとつは、町産品の価値向上や販路拡大、一次産業への就業促進などを目的とした『森里海新たなしごと創出事業』、関係人口を増やし移住や定住を促す『まちの縁側推進事業』。3つ目は、阿武町で生産している無角和種の振興をはかる『無角和種との出会い創出事業』です。​​

それぞれ別の事業ですが、根本には阿武町が地方創生で掲げている「選ばれる町をつくる」というスローガンがあり、すべてが選ばれる町になるための事業として横断的につながっているんですね。ですから、ABUキャンプフィールドは、ここに滞在することでまちの暮らしを体験できる「まちの縁側」であると同時に、新たな仕事創出の場になったり、キャンプ場の体験プログラムを通して無角和種との出会い創出にもなると。」

訪れた人が阿武町を知るきっかけとなる「まちの縁側」としてのキャンプ場。ここが新たな仕事創出の場になるとは、いったいどういうことでしょうか？

![2022_0424_469](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0424_469.jpg?width=7360&name=2022_0424_469.jpg)管理棟で阿武町産の薪が購入できる

**田口さん**「一般的なオートキャンプ場に来るお客さんは、来る途中に食材を買ってきて、温泉まで30分以上時間をかけて入りにいったりするじゃないですか。ここなら、温泉もあるし、道の駅で食材が手に入ります。阿武町の基幹産業は漁業や農業などの一次産業ですから、ここにキャンプ場ができることで地元の食材や薪が売れていくということですね。道の駅なら小規模の生産者が出品しやすいので、より多くの住民にお金が届きやすくなります。ただ、阿武町の産物を道の駅で売ることは、これまでも実現できていることなので、『入ってくるものを増やす』には、食材を適正な価格にする必要があるなと思いました。つまり、それぐらいここの食材は安いんです。」

田口さんとともにSTAGEの地方創生ディレクターを務める石坂浩平さんは、過去に田口さんとグルメ情報サイトを運営する会社で働いてきました。食を発信する側として、阿武町の道の駅で売られている地元食材はどう見えているのでしょうか？

![2022_0423_091](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0423_091.jpg?width=7360&name=2022_0423_091.jpg)一般社団法人STAGE地方創生ディレクターの石坂浩平さん

**石坂さん**「道の駅は全国各地にありますが、山の方なら山の産物しかなかったりします。でも、ここは朝獲れの新鮮な魚と野菜、さらに牛肉もあり、道の駅の中でもバランスがいい。食材さえよければ極端な話、手をかけなくてもおいしい料理ができるので、そこがキャンプ場のお客さんにとっても圧倒的な魅力になるはずです。また、田口が言うように、魚がめちゃくちゃ安いんですよ。だから、お客さんも開店前から並んで魚を買い求めています。でも、それが生産者にとっていいことかどうかは少し別の話ですよね。本来、価値のあるものは、ちゃんと魅力を伝えた上で、適正な価格で販売された方がいい。それをお客さんが理解して買ってくれるという形が理想的だと思ってますよ。」

![2022_0424_433](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0424_433.jpg?width=7360&name=2022_0424_433.jpg)道の駅阿武町。朝どれの魚を目的に開店前から行列ができ、あっとう言う間に売れていく

![2022_0423_167](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0423_167.jpg?width=7360&name=2022_0423_167.jpg)連子鯛が4匹で400円！地魚を中心に驚くほど安い

田口さん「阿武町の道の駅は『日本一魚が安い道の駅』を目指してきましたからね。それは消費者側からするとすごくいいことですが、生産者の側からすると維持していけるのか、と思います。僕からみても、阿武町の魚はものがいいので、もっと高く売ってもいいと思うし、ここの魚が1割値段があがったところでそれでも全然安いですから。

![DSCF4688KKP_4376](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/DSCF4688KKP_4376.jpg?width=2048&name=DSCF4688KKP_4376.jpg)ウエカツ水産の上田勝彦さん（提供写真）

そこで、田口さんらが行っているのが、阿武町で水揚げされた魚の付加価値を高める事業。

**田口さん**「具体的には、魚食普及活動をされているウエカツ水産の上田勝彦さんに来ていただき、漁業者の方向けに適切な魚の活締めや血抜きのやり方、冷やし方などを指導してもらっています。普通に扱うと千円にしかならない魚がよりいい状態で出荷し、いい店にちゃんと評価してもらうと、5千円、1万円となっていく。その上で、『現地に行ったら、浜値で買えるらしいぞ』となれば、さらにキャンプ場に人が来るきっかけにもなるじゃないですか。」

## **キャンプ場の体験コンテンツがプレ移住体験に**

キャンプシーズンの幕開けとなる3月にオープンし、今のところ県内のほか、広島県や福岡県から時間をかけてやってくる利用客が多いそう。道の駅で食材を買い、温泉に入り、こだわりのテントサイトでゆっくりくつろぐようなキャンプが行われています。しかし、ここにキャンプ場をつくった狙いは「消費」だけではない、と田口さん。

![スクリーンショット 2022-06-24 10.38.05](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%202022-06-24%2010.38.05.png?width=1600&name=%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%202022-06-24%2010.38.05.png)

**田口さん**「基本的には、キャンプ場を入り口に入って来るものを増やし、出ていくものを減らす地域内経済循環を実現することが狙いですが、もうひとつは、生産者との距離の近さを生かして、都会の人たちに地方の暮らしを知ってもらいたいという思いがあります。みんな、食材としての魚は知っているけど、どんな人がどういう取り方をしているのかは知らないでしょう？　現場をみるとめちゃくちゃ面白いんですよ。例えば、魚嫌いの子どもが目の前で漁師が魚をさばいているのを見ると食べるようになるとか、全然違う反応が出てくるんですね。

![DSCF4535KKP_3988](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/DSCF4535KKP_3988.jpg?width=2048&name=DSCF4535KKP_3988.jpg)オープン初日に行われたイベント、上田勝彦さんによるマグロ解体ショー（提供写真）

僕は、素潜りで各地でキャンプするときは、地元の人と話すのが楽しいんですね。その土地の暮らしや食文化がなぜそうなってきたのかは、どれも理由があるじゃないですか。特定の魚種がまとめてとれるから、それを保存するためにその保存食が発達していったとか。そういう暮らしの成り立ちについて、キャンプを通して気づいてもらいたいなというのがひとつあります。」

田口さんが言うように、ABUキャンプフィールドでは町の暮らしと文化を伝えるためのさまざまな体験プログラムが用意されています。

田口さん「漁業では海士（あま）体験ですね。素潜りでサザエをとっていいと。漁業権を持つ漁業者にとって、漁場はシビアに管理されているものですが、漁協と漁師さんたちに協力をお願いし、3年前から海士経験を漁師の方が教える形で期間限定のイベントとして開催しています。素潜りで貝を採るのは、お客さんにとっては遊びですが、れっきとした漁師の仕事。遊びの延長で漁師の仕事に触れることで、その先にある漁業に興味をもってもらう機会がつくれます。

![スウェーデントーチ](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%81.jpg?width=2048&name=%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%81.jpg)チェーンソーの使い方を学べる「チェーンソーでスウェーデントーチ作り体験！」（提供写真）

それと、阿武町では自伐型林業を推進していますから、林業が行われている山に入り、チェンソーを使ってスウェーデントーチをつくる体験をしています。チェンソーを使うのに慣れた人は、次に木を切り倒すようにするなどステップを踏める体験にしていきたいですね。都会の人にとって漁業や林業は、自分の生活と全く接点がないですよね。だけど、キャンプ場の体験コンテンツを間に挟むことで、半歩入っていくことができるんです。こういう仕組みを、漁業、農業、畜産業、林業でやっていくことで、移住につなげていくのが狙いです。」

## **全国でこの地域にしかいない希少な「無角和種」**

獲れたての海の幸、新鮮な野菜、そのほかにこの地域ならではの食材として、阿武町が力を入れているのが、角のない無角和種の牛肉生産です。山口県で古くから役用牛として利用されてきた在来の黒毛和種にイギリスのアンガス種を掛け合わせて誕生しました。肉質は、サシの入りにくいヘルシーな肉質で、赤身ならではのしっかりした味わい。しかし、霜降り一辺倒の国産牛肉市場のなかで無角の生産農家は減少し、1994年に飼育と繁殖を行う第三セクターとして無角和種振興公社が設立され、現在に至ります。

田口さん「無角は日本全体で200万頭くらいいる和牛の中でも0.01%しかいない希少な品種です。飼育しているところは、阿武町のほか美祢市で1軒あるだけ。阿武町では月に3頭しか出荷していませんから、デパ地下でも買えない肉なんですよ。肉業界の人ですら和牛4品種いることを知っていても、無角だけは食べたことがないという人がほとんどです。

![810_6383](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/810_6383.jpg?width=7360&name=810_6383.jpg)放牧中の無角和種（提供写真）

もうひとつ、環境面でいえば、無角はもともと草でも育ちやすい牛なんですね。これから世界人口が増えて、食糧争奪が加速するなかで、とうもろこしや大豆を牛の餌にしていくのが倫理的にも経済的にもどうなのかという問題がありますよね。それであれば、輸入の配合飼料に頼らなくても空いている土地で草を食べさせて育てるという循環の中で商品にした方がいいんじゃないかと、試行錯誤しながら試みているところです。」

現在、無角和種は、牛舎での飼育のほか、妊娠期になると放牧され、デリケートな期間をのびのびと健康的に過ごすそう。生まれてからも子牛をすぐに引き離すことなく、母牛が母乳で子どもを育てるという自然な飼育が行われています。地元でとれた飼料を中心に健康的に育った無角和種は、赤身肉にこだわりを持つシェフのもとへ届けられるほか、道の駅阿武町でも販売されているので、幻の和牛と呼ばれる無角和種をキャンプで食すことも可能。また、キャンプ場では飼育されている無角和種を見にいく「無角和種堪能ツアー」も開催中です。

![DSC_4333](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/DSC_4333.jpg?width=6016&name=DSC_4333.jpg)「無角和種堪能ツアー」では、無角和種の牛肉を自分のサイトで焼いて食べることも可能（提供写真）

## **自分たちで切り抜けていくのが、阿武町の流儀**

近年、日本各地でDMO（観光地域づくり法人）が数多く設立されています。ここ阿武町でも昨年末に、町内の有志17者により阿武町観光ナビ協議会という、阿武町版DMOとでもいうべき民間組織が立ち上がりました。メンバーには観光経験のない農家や漁師も参加しており、自らの暮らしを体験プログラムとして観光ツアー化していくことをこれから行っていくそう。しかし、観光庁に登録し、地方創生推進交付金の支援を受けられる行政主導のDMOではなく、あくまで民間組織にしているのはなぜなのでしょうか？

**岡村さん**「住民の間に、民間発信で何事も面白がって始めるようなところがあるんですね。例えば山間部の農村地帯に人を呼ぼうということで、有志で行っているまつりが40年くらい続いていて、行政が関わってお堅くいくよりも、民間主体で行っていることの方が継続しています。地域性として、慎重派で、二の足を踏んでしまうところもあるかもしれませんが、何かあれば『とりあえず飲みに行こうか』みたいな感じで、世代間交流が行われているので、まちとしては後方支援の立場ですね。」

![20220312神楽オープニング (1)](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/20220312%E7%A5%9E%E6%A5%BD%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%99%20(1).jpg?width=5040&name=20220312%E7%A5%9E%E6%A5%BD%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%99%20(1).jpg)オープン初日の夜に行われた福賀地区に伝わる伝統神楽（提供写真）

**田口さん**「キャンプ場のオープニングのときに地元に伝わる神楽をやってもらいましたが、そのときも普通に役場の課長さんが太鼓を叩いていました。ここには、コミュニティがしっかりあるということでしょう。阿武町は、平成の大合併の話が持ち上がったときも、反対派が多く単独行政を貫きました。ですから移住政策も早い時期から危機感を持って、自分たちで考えてやってきています。僕は、それがこのまちの強みだと思う。地方創生が始まったときも、その前から空家バンクを整備していたので、全国でもトップクラスで移住者数が多かった。自分たちでやってきたからこそだと思います。」

大きな力に頼ろうとするのではなく、自分たちで何とか切り抜けていくのが、阿武町の流儀。それはまちの人々が、この漁業や農業という生業を通して土地としっかり結びつき、地に足のついた暮らしをしてきたからだとも言えます。

![ya_abu_3657](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/ya_abu_3657.jpg?width=1731&name=ya_abu_3657.jpg)奈古港で水揚げ中の漁師さんたち（提供写真）

![木与の棚田　柴崎晋二郎](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/%E6%9C%A8%E4%B8%8E%E3%81%AE%E6%A3%9A%E7%94%B0%E3%80%80%E6%9F%B4%E5%B4%8E%E6%99%8B%E4%BA%8C%E9%83%8E.jpg?width=1772&name=%E6%9C%A8%E4%B8%8E%E3%81%AE%E6%A3%9A%E7%94%B0%E3%80%80%E6%9F%B4%E5%B4%8E%E6%99%8B%E4%BA%8C%E9%83%8E.jpg)日本海を一望する木与地区の棚田（提供写真）

![福賀スイカ](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/%E7%A6%8F%E8%B3%80%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%AB.jpg?width=3456&name=%E7%A6%8F%E8%B3%80%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%AB.jpg)阿武町名産の福賀すいか。夏のキャンプに！（提供写真）

## **大きなインフラに頼らないからこその「安心」がここに**

キャンプ場を入り口にまちぐるみで行われている阿武町の地方創生事業の取り組み。ある意味、この仕掛けだらけのキャンプ場で、訪れる人々がさまざまな阿武町の魅力に気付いていけることが、今後何を生み出していくのでしょうか。

**田口さん**「基本的には安心した暮らしだと思っています。安心した暮らしって何かなと思ったとき、エネルギーにしても食にしても、手に届く範囲で手に入ったらそれで安心ですよね。東日本大震災のときにインフラが止まったじゃないですか。僕はあのとき東京・池袋にいたんですが、大きいインフラに頼っていると、少しのしわ寄せでも、すごく大きいことに気づかされました。北海道で停電があったときも、あれが冬だったらどうなっていただろうって思います。」

**石坂さん**「それは本当にそうですね。知っている農家がいると安心感が違うし、何とかなるだろうと思う。もしくはキャンプで来たことがあり阿武町の暮らしをみる機会があれば、もし災害があって仕事がなくなったとしても、選択肢ができます。それはひとつ安心できる材料になりますよね。」

**田口さん**「阿武町はまだ大きなインフラに依存し切っていないので、薪も手に入りやすいし、手が届く範囲で生活することがやろうと思えばできる。それができればめちゃくちゃ安心だし、ここにはそれができる環境があるんですよ。」

![2022_0423_219](https://lab.smout.jp/hs-fs/hubfs/2022_0423_219.jpg?width=7360&name=2022_0423_219.jpg)奈古浦地区の町並み

実際にキャンプ場の近くにある奈古浦集落を散歩してみました。狭い路地裏に塩害に強い焼き杉板を使った黒っぽい昔ながらの家々が並びます。時々赤茶色の派手な石州瓦（せきしゅうがわら）をのせた家、勇壮なシャチホコ、波頭が表現された鬼瓦なども散見され、漁師の町の風情にひたりました。集落の先にはローカル線の王道を行く山陰本線の奈古駅が。ふと、地図アプリで駅からキャンプ場までの距離をはかると、徒歩11分でした。

このアクセスのよさ、圧倒的な食の魅力、住民と仲良くなれる体験プログラム。至れり尽くせりの機能を持ったABUキャンプフィールドに遊びにきてみては？キャンプ用品のレンタルもスノーピークを中心としたラインナップが揃っているので、手ぶらできても充分満足できますよ。

また、山口県阿武町では現在、小さなまちの「縁側」となるキャンプフィールドが体験プログラム開発スタッフを募集しています。詳しくは、移住スカウトサービス「SMOUT」の[プロジェクトページ](https://smout.jp/plans/7391)でも紹介していますので、ぜひご覧ください！

SMOUT 山口県阿武町の募集プロジェクトは[こちら](https://smout.jp/areas/1566) >>

文　草刈朋子  
写真　廣川慶明

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[「地域おこし協力隊」の事業を成功させる、10のチェックポイントとは？](https://lab.smout.jp/archives/smout/202205)

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- [関係人口のつくり方 (48)](https://lab.smout.jp/archives/tag/関係人口のつくり方)
- [移住研究所 (41)](https://lab.smout.jp/archives/tag/移住研究所)
- [SMOUT移住研究所 (32)](https://lab.smout.jp/archives/tag/smout移住研究所)
- [スマウト活用事例 (27)](https://lab.smout.jp/archives/tag/スマウト活用事例)
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