長野県佐久市の関係人口を生み出す「酒蔵ツーリズム」にみる、“農都共生”のありかた

日本各地で進む、関係人口を増やす取り組み。長野県は、そうした取り組みを行う自治体の中でも、雑誌「田舎暮らしの本」で14年連続で「移住したい県1位」となるなど、注目を集めています。それだけに、まだ全国の人々に見つけられていない豊かな特産品や観光資源をどんどん伝えていこうという試みも増えています。

今回ご紹介するのは、長野県佐久市で行われた「信州おちょこ会議」です。日本酒造り体験を中心とした企画・運営に携わった株式会社KURABITO STAY代表で観光地域づくりプランナーの田澤麻里香さん、長野県企画振興部 信州暮らし推進課 主事の久保田啓介さんに、今回のイベントを通じた地域と都心の人を繋ぐ試みや思いについて伺いました。

酒蔵での“蔵人体験”プログラムを軸にした「信州おちょこ会議」

本イベントは、長野県による「『食・風土』がつなぐ都市農村交流推進事業」として2019年10月から12月の3カ月間かけて行われました。農村地域と繋がりたい都市部の人々が、食や風土を通じて共に活動し、都市と農村の交流を促そうという試みですが、県としてはあるこだわりがあったようです。長野県企画振興部の久保田啓介さんが教えてくれました。

今回のイベントを担当した長野県企画振興部の久保田啓介さん

久保田さん「確かに、目的は都市と農村の交流を通じた地域の活性化ですが、あまり重い雰囲気にはしたくないと思っていました。参加者が農村や、今回の舞台となる佐久の風土に触れ、楽しみながら今後の交流のきっかけを見つけられる場にしてほしかったからです。また3カ月間で4回行うイベントのうち2回を佐久で行う指定にさせてもらったのも、単なる観光にしない工夫でした。1回目の来訪では観光的な楽しさが優先されたとしても、2回目には土地を知った上での『あそこに行きたい』、『こんなことがしたい』という目的や要望が生まれますよね」。

こうした県の要望に添う形で、KURABITO STAY代表の田澤麻里香さんをアドバイザーに迎え、カヤックLivingが企画。佐久市内にある13カ所の酒蔵を回って歴史を学び、創業300年以上の歴史ある橘倉(きつくら)酒造で日本酒を仕込む“蔵人体験”を行い、その日本酒に合う地元食材を使ったメニューを考案。そうして、土地の面白さを実感してもらう、という内容です。「信州おちょこ会議」の全体スケジュールは、以下のとおり。後半には、プログラム終了後に自分たちが長野県との交流をどう続けていけばいいかといったアイデアや日本酒のPR方法を考えたり、参加者同士が自然と繋がるようなワークショップも行っています。

【「信州おちょこ会議」スケジュール】
第1回 10/20 キックオフ:佐久市の土地や13の酒蔵について学ぶ(都内)
第2回 11/2-3 蔵人体験:自分たちの日本酒を仕込む(佐久市)
第3回 12/1 地域の食材を使ったペアリングメニューの考案・試食、ワークショップ、オリジナル日本酒のラベルのデザイン(都内)
第4回 12/21-22 蔵人体験:日本酒を絞る、振り返り(ペアリングメニューや活動のお披露目会兼地域の方との交流会)(佐久市)

厳寒ならではの文化を地域の活性に活かす

酒蔵ホテル「KURABITO STAY」代表・観光地域づくりプランナーの田澤麻里香さん。2年前から長野と埼玉で二拠点居住を行っているため、その視点も活かしながら佐久地域の関係人口を増やせたらと語る。

そもそもの始まりは、“人を繋ぐ力が大きい”と日本酒の力に注目したカヤックLivingが、酒蔵ツアーのノウハウを持つ田澤さんに協力を仰いだことにありました。田澤さんは、先の橘蔵酒蔵で“蔵人体験”もできる酒蔵ホテル「KURABITO STAY」の運営者であり、地域体験ツアーの開発なども行う観光地域づくりプランナー。立ち上げの最初の源は、かつて旅行会社でフランスの田舎巡りツアーを手がけ、その中で人口300人ほどの小さな田舎村でも村に誇りを持ち、活き活きと暮らす人たちを見て感銘を受けたことだったと言います。

田澤さん「私は、長野県小諸市の出身で、人口200人の村で育ちましたが一刻も早く村を出たいと考えていたんです。それが、出産のため20年ぶりに小諸に戻った時に、廃校寸前の小学校やシャッター街化した思い出の商店街を見て本当に驚いてしまって。このままでは、故郷も思い出も消えてしまうと危機感を持ったんです」。

その後、小諸市のDMO(Destination Management/Marketing Organization:観光地域づくり法人)の立ち上げスタッフに地域おこし協力隊として参加。地域の人々との交流を生み出すツアーの企画を1年ほど担当しながら、地域の人や事業者との人脈や信頼関係を築き、行動範囲を広げていきました。一方、活動資金が税金となるDMOでは、どんな施策を考えても市という狭い行政単位からは抜け出せないことにも気づいたのです。

田澤さん「佐久市は小諸市のすぐ隣りに位置するのですが、橘倉酒造さんなど佐久の酒蔵に出会ったことで、小諸市だけでなく佐久地域全体を元気にしたいと思うようになりました。行政が推すのはワインが多かったので、民間で日本酒を扱った地域活性をやれば面白いんじゃないかと閃いて」。

新幹線で一駅にも関わらず、年間850万人の来訪者がある軽井沢から佐久平にまで足を伸ばす人は約2割。残り8割をいかに引き寄せるかが佐久地域の長年の悩み。冬の閑散期と繁忙期の差が大きく、通年で雇えないためにスタッフが育成できないという問題もありました。

日本酒づくりの仕組みを教えてもらう。写真は絞りの工程。また酒蔵の一角には、橘倉酒造に古くから伝わる水の源があった。

ちなみに、「九成宮醴泉銘」は欧陽詢の楷書のお手本として有名だが、そもそもは“唐の二代皇帝太宗が避暑に出掛けた九成宮にて、地面を杖でつつくと甘い水が湧き出した”ことを記した碑の言葉。橘倉酒造の水もよい水だということを示すものだという。

田澤さん「スキーや温泉といった地域資源では地域や人の魅力がなかなか伝わらない。それなら、人の足が遠のいてしまう寒い冬の時期にこそ発信できる独自の強みを見つければ、地域内外に『こんな魅力もあったのか』と思ってもらえますよね。そこで見つけたのが厳寒期に日本酒を仕込む佐久の“寒造り”でした。酒蔵見学と寒造り体験ができるプログラムにすれば、冬でも軽井沢から足を延ばしてくれる、むしろ佐久に行きたいと思わせる目的になると思ったんです」。

共感してくれた橘倉酒造専務の井出平さんと2019年にKURABITO STAYを起業。現在は2020年3月のホテル開業に向けた準備を進めています。

地道なコミュニケーションが生んだ「酒蔵ツーリズム」

「信州おちょこ会議」内で行われた2回の蔵人体験は、まさにこのKURABITO STAYのノウハウを注ぎ込んだものとなりました。13カ所の酒蔵、別名「SAKU 13」の個性や酒蔵の歴史を学ぶプログラムに橘倉酒造での仕込みと絞り体験。地域に根ざして活動してきた田澤さんでなければ、実現できなかった内容です。この「酒蔵ツーリズム」をつくる上で、どんな点を意識したのでしょうか。

田澤さん「時間配分や場所設定などを含め、参加者の感動をどこに持ってくるか、です。その8割は旅行会社時代の経験ですね。また小諸市の地域おこし協力隊任期中には信州DMOリーダー養成塾にも通い、地域がつくる『着地型旅行商品』の組み立て方も学びました。大手旅行会社のツアーと地域に身を置いたツアー、両方の経験を活かしたプログラムづくりが自分の強みかもしれません」。

近年、自治体に旅行会社の社員が派遣される事例も増えていますが、その全員が地域に身を置いたプログラムづくりができるかというと、そうは言いきれません。だからこそ、このプログラムは独特なのです。カヤックLiving担当の藤代実希もプログラムの様子を振り返ります。

蔵人全員で乾杯!

藤代「どの酒蔵さんでも暖かく迎え入れていただきました。酒造所は、普段は人を入れない神聖な場所にも関わらず、蔵人さんは質問などにオープンに答えてくださって。田澤さんの紹介なら安心だと思われたのでしょうね。普段からコミュニケーションを取って信頼されている人だからこそ、の空気感だと思いました」。

でも、最初からこの状況だったわけではないんですよ、と田澤さん。故郷とはいえ20年ほどあけてのUターン、しかも酒蔵のスタンスはさまざまです。声をかけても「見学なんて必要ない」と素っ気なく断られる時もありました。それでも諦めず、人の繋がりを丁寧に辿ってその糸を繋いできました。3年以上の時間をかけ、ようやく協力してもらえるようになったと語ります。

田澤さん「旅行会社であれば、例えばこの地域でAがだめならBにしよう、といった感覚で進めると思いますが、地方はそこにあるものだけで勝負しなくてはなりません。一度味方になってもらえれば深く受け入れていただくこともできますが、そのためには信頼を裏切らない努力が不可欠です。とにかく時間がかかるんです。でも、だからこそ人の顔が見え、思いを聞けるプログラムになるのだと思っています。蔵元さんにはみんなそれぞれ個性がありますから、商品だけでは伝わらない酒造りへの思いや目指すことが、ここなら聞けると思ってもらえる場にできればと」。

今回は残念ながら気候や熟成の具合などから絞り体験は叶いませんでしたが、それも日本酒が生ものであるからこその面白さです。KURABITO STAYのリノベーション作業や酒瓶のラベル貼り作業を通じたものづくり体験へと変更。柔軟な対応もポイントです。また、期間中に参加者や県からの受けた要望を元に、行程や内容の調整も加えたのだそうです。

田澤さん「通常のツアーでもそうですが、クライアントの意向にはなるべく添いたい気持ちがあります。それは参加者さんでも自治体の方でも同じです。ノーと言うのは簡単ですが、それを言った時点で終わりだし、満足度も下がりますよね。ですから、100%の対応は無理だとしても、少しでもそこに近づけようと取り組んでいます」。

調整の大変さはあったものの、自治体側の柔軟な対応もあり、現場では比較的スムーズに進んだのだとか。

久保田さん「田澤さんは、KURABITO STAYを立ち上げて今後も佐久地域のキーマンとして活躍されていく方です。今回参加者のみなさんと行動していただいたことで、佐久にも地域に強い想いを持って活動している人がいると伝えられたことは非常に大きいと思います。女性の視点も活かしてくださったからなのか、他の企画に較べると若い世代の女性の参加者も増えていてよかったです」。

田澤さん「旅行会社や観光局の仕事では、お客様との間に明確な線引きがあったんです。でも一回目の活動の後、藤代さんから『参加者も地域の人として蔵人体験をするので、地域の仲間という立場で接してくださっていいんですよ』と。なるほど、地域でつくるプログラムは『また帰ってきてね』と言える距離感でいいのかとわかり、自分にとっても非常に大きな収穫になりました」。

地域と都心、参加者と参加者それぞれを繋ぐ工夫

米農家のがんも農園さんでの餅つき。

3カ月に渡るイベントだったため、地域と参加者、参加者同士のコミュニケーションを保ち続ける工夫も重要な要素でした。まず地域側では、橘倉酒造を中心として数百年の歴史がある複数の酒蔵やその周辺を見てもらうため、田澤さん自身が交流する中で「この人なら参加者が来た時にすてきな演出ができそう」、「今後参加者が遊びに来ても丁寧に受け入れてくれそう」と感じた酒蔵や地元の人たちを中心に選んでいきました。

田澤さん「橘倉酒造さんは特別オープンにしていこうというスタンスなんですよね。佐久にお客さんを呼ぶことに繋がるなら一緒にやろうと仰っていただける、本当にありがたい存在です」。

お披露目会のフランス料理店「Croissance」では、普段のメニューにない日本酒を3種(確認)扱ってもらった。

Facebookを活用し、地域の受け入れ企業や店舗をチーム化して連携させる手法も田澤さんのアイデアです。レストランやりんご農園など、今回のプログラムに関わる全員に情報を共有しておくことで、お披露目会のメニューに使うりんごをりんご農園から仕入れたり、普段は日本酒を扱わないレストランに働きかけて特別に組みこんでもらったりと、例外を実現させる働きかけがここでしっかりと行われていました。

田澤さん「事前の根回しはDMOで学んだことです。何かのゴールに到達したいと思っても、直球だと反発が起こりやすいんです。ですから、遠回りでも周りに点を打ちながら固めて少しずつ進めていくんです。地域で自分がやりたいことを実現させるには、根回しして点を線にする地道さが大事なんですよね」。

一方、参加者同士のコミュニティ醸成は、田澤さんとカヤックLivingのノウハウを掛け合わせて行われました。酒蔵見学や蔵人体験など現地での体験がまず団結力をつくり、イベントの間の期間はLINEのオープンチャットを使ったデジタルな交流を続ける。デジタルとアナログのいい所取りをすることで関係性を弱めることなく、むしろ強めることができたのです。さらに、カヤックLivingの河内佑介からは、“日本酒好き”らしい関係も生まれていたとの報告も。

河内「ある参加者の方がワークショップの日に『なんだか親戚の家に帰ってきたみたい』と話してくれたんです。そこまで深い関係性が生まれたのは、みんなで日本酒を仕込み、酌み交わしたからだと思いますから、嬉しかったですね」。

田澤さん「地域の人たちが、特に若い参加者の多さに驚き、喜んでくれたのが私としても嬉しかったです。移住スカウトサービス「SMOUT」のユーザーは、こんなに活発なお客さんが来てくれるんだねと、蔵元さんの表情も心なしか弾んでいたように感じました」。

手つかずの場所に人を呼ぶ目的をつくる

また、変に観光地化されていないのが佐久のよさで、手つかずの場所だからこそ、人が訪れたくなるような目的をゼロからつくるやりがいや楽しさがあると田澤さん。

田澤さん「目標は、今は観光客なんて来てもらわなくてもいいという蔵元さんにも、佐久のブランディングに貢献できてよかったと言っていただけるツアーをつくること。蔵元さんごとにヒアリングしてやり方を考えながら、経済面、やりがい面両方にメリットが出せる形にしていけたらと思います」。

地域づくりは手間も時間もかかるけれど、根を張って続ければ、自分にしかできない仕事になっていくと力を込めます。裏返せば、それは他の地域でも同じです。手法は同じだったとしても、その地域をわかっている人にしかできないことがあるのです。

田澤さん「繰り返しになりますが、地域の人と信頼を築くことと裏切らないことです。最初の頃、どうせあなたも一年でどこか別の地域に行くんでしょうと言われました。地域の人はそれほど、新しい事業のたびに巻き込まれ、裏切られ続けてきたんじゃないかと。それでも成功体験を与えてくれる人を求めていることが伝わってきたから、自分も今こうして続けているのだと思います」。

関係者に薦められて参加した起業アイデアコンテストでは、この「KURABITO STAY」の企画でグランプリも受賞。メディアに取り上げられるようになり、応援してくれる人は増えましたが、地道な歩みは止めません。

田澤さん「東京と違い、地域は一人だけが儲かる形をよしとしません。最近は地域を使って儲けようとする人もいますが、儲けたい人には向かない仕事だと思いますよ。KURABITO STAYも、関わる人みんなが少しずつ幸せになれるくらいで十分だと思っています」。

KURABITO STAYのミッションは「100年後も誇れるふるさとを守り継ぐ」。その活動を通じて実現したい地域の未来像はどんなものなのでしょうか。地域の存続させる上で最も効果的なのは人の移住だとわかっていても、やっぱりハードルが高いですよね、と田澤さん。

田澤さん「だからこそ関係人口を増やす施策が増えているんだと思います。今回のように地域を知ってもらい、愛着を持ってもらえる仕掛けを、民間や行政で増やすことが重要です。だけど、アグリツーリズムのように農村を観光化するのって、じつはすごく難しいんですよね。99%は出荷する商品だし、いいものができれば観光客は必要ないと考える農家さんが多いのは当然で、観光向けの場所も少ないんです。その中で増やしていくには、仕事を邪魔せず、畑を荒らさない方法を考え、頻度にも注意しながら、協力してもらえるようコミュニケーションを重ねることが一番だと思います」。

関係人口を増やす力と参加者のリアルな言葉

田澤さん「私が上京した時は東京に行かないと得られないものが多かったですが、今は交通も便利になりました。佐久から1時間ほどで東京に出られ、情報はスマホで手に入り、欲しいものはネット経由で手に入る時代です。仕事もノートPCさえあればどこでも働けますし、東京に拠点を置かずとも活動できる人は今後どんどん増えると思います。佐久地域は私も毎週末往復するくらい便利な場所ですから、そういうスタイルの人が増えるためにも、KURABITO STAYがたくさんの魅力を発信できる場にできればと思います」。

久保田さんも、市内のいろんな人々との交流が、東京に戻っても長野のことを気に留めてくれる関係人口を増やす可能性に期待したいと語ります。さらに、地域を活性化する原動力を生み出す上で必要なことについても伺いました。

久保田さん「都市部からまっさらな状態で来てもらい、地域の人に触れ、その地域のよさを知ることで身近に感じられる、関わり方を考えてもらえる場づくりが一番だと思います。そのためにも地道な活動が重要です」。

改めて、お二人に3カ月を終えた感想を伺いました。

田澤さん「長野県のことはあまり知らなかったと言っていた参加者の方々が、最終的にすごく愛着を持ってくれたことが本当にうれしかったですね。引き出したかった声を引き出せて、KURABITO STAYを通じてやろうとしている事業のゴールが見えた気がしました。地域おこし協力隊時代の悩みだった集客やターゲット層へのリーチも「SMOUT」さんのお陰で圧倒的によくなり、地域に興味を持ち、より深く知りたいという参加者をきちんと集めることができたと思います。本当に楽しい3カ月を過ごさせてもらいました」。

久保田さん「僕はずっと長野なので、『都会の人は長野のここで喜んでくれるんだ』とみなさんの行動が毎回新鮮でした。りんご畑で見た蛙に歓声をあげたり、楽しそうに駆け回ったりする様子を見た時は特に。田舎は何もないように見えるし、県民だと日常の出来事が都会では貴重なのかと勉強にもなりました。佐久を好きになったと言っていただきましたし、橘倉酒造さんを始め地域の方々と友人のような関係が生まれたのも嬉しいですね。知っている人がいるからまた佐久に行こうと思える、その感覚が関係人口づくりには一番重要ですから」。

最後は、参加者にも感想を伺ってみました。20代から40代までの男女10名のうち、20代の彩葉さんとみかさん。同じ大学の友人同士での参加です。

彩葉さん「大学で地方創生を学ぶゼミに所属し、将来は地域おこし協力隊になりたいと考えています。それで各地で活動を体験し、仕組みを知りたいと思ったのが参加のきっかけでした。他地域のワークショップと違い、佐久に2回来たことで他の人々とも深く繋がれた気がします。このイベントをゼミで紹介したら興味を持ったという友人も多かったので、何かの形で広めて行けたらと思います」。

みかさん「生まれも育ちも東京の私にはすべてが新鮮で、発見もとても多かったです。今回の経験で地域にも興味が沸いてきましたし、蔵人体験を通じて“単なる商品”だと思っていたお酒の背景には、職人の世界があると学びました。こうした体験は、モノよりコトを重視する現代人こそ必要なものだと思いました」。

また、坂井さんは、3カ月間という長いスパンに興味を持ち参加。ゆくゆくは考えているという二拠点居住の候補地選びも兼ねていたため、今回の経験はとても有意義だったそうです。

坂井さん「3カ月あると地域や酒造のことが深く学べるのでいいですね。気になっても気後れしてできない質問もできるようになるし、他の方とも触れ合える時間も多いですから。普段からワークショップにはたくさん参加していますが、今回はプログラム全体に気遣いが感じられ、“SAKU 13”を知ってもらいたいという熱い想いが伝わってきたのが印象的でした。普段は入ることのできない酒蔵を見学しつつ、そこで田澤さんが質問などのアシストをしてくださったのもありがたかったです。二拠点居住の候補地として、佐久もよさそうだと思いました」。

アグリツーリズムやエコツーリズムなど、関係人口づくりの上で地域資源を活かしたツーリズム活動は盛んですが、本当に効果や意義のある内容にするのは難しいもの。

今回の佐久市の事例は、地域の人たちとの繋がりを第一に考えた、誰もが幸せになるような仕組みとそれができる地域の関係案内人の存在が重要だと伝えてくれた気がします。

※この記事は、長野県のご協力により制作しています。

文 木村 早苗
写真 伊原 正浩

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