| ユーザーページ | 中土佐町役場 まちづくり課 |
| スマウト導入 | 2024年度〜(プレミアムプラン) |
| ご担当者さま | 係長 岩瀬 和廣 さん |
高知県中土佐町は、「カツオの聖地」と呼ばれるほど食文化が豊かなまちです。40mほどの小さな商店街に年間40万人が訪れるほどで、観光客と地域の日常が溶け合う独特の空気があります。
同時に、行政主導の文化が長年続いてきたことから、“地域の側が主体的に動く文化”を育てていく必要も感じていたのだとか。
協力隊募集と受け入れの立て直しを担うのが、まちづくり課の岩瀬さん。少人数体制のなかで、スマウト運用を一手に引き受けています。
導入前、中土佐町では協力隊の募集が安定せず、必要なのに募集が出せない時期もありました。「どの課が受け入れるのか」が曖昧だったため、責任の所在も曖昧。記事作成や決裁フローにも時間がかかり、スピード感を持った採用が難しい状況でした。
そんな中、「スマウトを通して、協力隊の採用・運用体制にまでテコを入れよう!」と舵を切ったのは、担当の岩瀬さん。岩瀬さんが実現したかったのは、
協力隊を常時10名体制にして、さらに30名まで拡大する体制づくり
応募前から関係構築できる、スカウト機能を活用した対話中心の採用
行政主導から“地域の成長を支える協力隊”へ意識を転換すること
町内での協力隊受け入れ体制が整っていないことから、隊員が自治体と直接雇用契約を結ぶのではなく、地域の事業者と業務委託契約を結ぶ「団体委託型」の募集にシフト。「移住希望者のやりたいことを尊重し、事業者側の希望と地域おこしの目標をすり合わせることで、ミスマッチを防ぐ努力をしています」と話します。
「ミッションに人を合わせるのではなく、人にミッションを合わせて人材を呼び込むことが我々の戦略。地域の衰退を防ぐには、既存の価値観にとらわれず、移住希望者の「思い」を活かすことが重要だと考えています」。
中土佐町といえば「カツオの聖地」。年間40万人という観光客がわざわざ食べに来るカツオ料理は、まちの誇りそのもの。観光客が自然と地域のコミュニティに入り込む風土も、大きな強みです。
一方で、行政主導の文化が長く続いてきたため、地域住民が主体的に活動する土壌はまだまだ育ち途中。協力隊の受け入れも“お願いする側”になりがちな点が課題でした。
岩瀬さんには、独自の「スマウト活用方法」があるといいます。
まずはスカウト。スマウトのスカウトには一斉送信という便利な機能もありますが、岩瀬さんは一人ひとりのプロフィールを丁寧に読み込んで、個別にメッセージを送信。「あなたの活躍の場があると感じています」と伝える岩瀬さんの文面は、応募者の心に響くのでしょう。南海トラフ対策に向けた防災分野の専門人材とも、このスカウトがきっかけで出会いました。
次にスピード。LINE連携でスマウト通知を受け取り、土日も含めて即レスがマイルール。「他の地域も並行して応募検討していたが、中土佐町さんのレスが異常に早かった。だから決めた」と話す応募者もいたのだとか。
そして、記事公開のタイミング。「他の自治体は週の後半にプロジェクトが公開されることが多い気がする」と、中土佐町のプロジェクトは週明け(月・火)に2本同時公開。また2025年11月には、協力隊募集の記事を10本一気に公開しました。「ページを占領する時間が多ければ多い方がいいと信じて」と岩瀬さんは笑います。
掲載・PDCAスピードと記事数確保のためにも、関連団体が記事のベースを書き、岩瀬さんがチェックして自身の裁量で即掲載できる仕組みへと改善しました。
他にも、移住フェアに出展する際には中土佐町のスマウトページのQRコードを掲示してブックマークを促したり、「協力隊募集はまちのHPよりスマウトを見て!」と案内したり。「せっかく予算を使っているんだから」と、スマウト活用のエピソードを色々教えてくれました。
スマウトを軸にした運用へと舵を切ったことで、協力隊は2名から10名へと大きく増加。応募・相談は40名規模に広がり、これまで出会うことが難しかった人材ともつながることができました。
また、近年公開した中土佐町のプロジェクトで、最も反響が多かったのが、「遊ぶ広報」というユニークな取り組み。「年間40万人という観光客が来ても、宿も少なく、カツオを食べると泊まることなく帰ってしまう。それなら、“必ず中土佐町に滞在する”仕組みをつくればいい」と、スマウトユーザーが反応しそうなプロジェクトを開始。
その名も「【7万円滞在費補助有】海の見える町で2週間の暮らし体験 in 高知県中土佐町【遊ぶ広報】」。
2025年7月から現在も募集中の「遊ぶ広報」参加者45名のうち複数名は、関係人口としてまちのリピーターになったり、中土佐町でゲストハウスやお店がしたいという参加者が現れたり。そして何と、参加者の女性と地元の男性とのカップルが誕生(!)という思わぬ効果も生まれているのだとか。
スマウトを通じたオンラインの出会いが、中土佐町のまちづくりを支える人材確保へと着実につながっているようです。
岩瀬さんが感じるスマウトの価値は、プロフィールから“人の熱意が読み取れる”ことだといいます。
「プロフィールの文章から、その人の熱意や経験の背景が伝わるため、“ミッションとの相性が良いか”を見極めやすく、スカウトの精度も高まった」と話します。
今後は協力隊常時30名の体制を目指して、これまで築いた岩瀬流ノウハウの継承や、外部パートナーに一部業務を委託することで、担当交代があっても運用が途切れない仕組みづくりを進めていく予定です。
「都会の人に来てもらう町ではなく、“選ばれる町”になりたい。だからこそ、こっちが変わらないといけないんです」。
岩瀬さんは続けます。「自分が言われて嬉しい言葉は、相手にも必ず届くはず。自分がされて嬉しいことは、相手も嬉しいはず」。それが、一人ひとりに向けたオリジナルスカウトと即レスというカタチになり、数値として成果にも表れています。
「スカウトの反応が薄かろうと、ユーザーに対して熱いメッセージを送り続けるメンタルは必須ですよ。文字だけのコンタクトであっても、思いや熱意は伝わります。そして必ず言うセリフはこれです。『よかったら一度、中土佐町に来てください!』」