はじめに
この記事では、日々地域に関わる人を増やそうと奮闘しておられる地域の方に向けて、SMOUTを最大限活用していただくために必要なことを、サービス開発者の目線でお伝えできればと思います。この記事を読み終わった後には、「なるほど!そうすればいいのか!」といった具体的なアクションに繋がるようになっておりますのでぜひ最後までお読みください。
前半で地域の皆様に知っていただきたいSMOUTの考え方やユーザーやサイト内のデータについてご紹介したあと、後半で具体的に使えるTipsを3つほど紹介するという構成になっております。初めて公開するデータもございますので、ぜひ今後のSMOUTでのプロジェクト作成などにご活用いただけますと幸いです。
※この記事は1/24地域部屋セミナーイベントの発表内容を元にしております
Tipsの前に知っておきたい3つのこと
まずは、Tipsをご紹介する前に、SMOUTのサービスや、プロジェクトを探しているユーザーのことについて定量的な数字とともにお伝えできればと思います。皆さまだけに、一歩踏み込んだ情報も記載しているので、ぜひご覧ください。
①SMOUTのサービス・提供価値について
SMOUT(スマウト)は、「地域に興味のあるユーザー」と「地域」をつなぐマッチングプラットフォームです。地域が求めている人材や開催するイベント情報を地域の魅力やストーリーと共に掲載する「プロジェクト」を起点に、地域の未来に関わる人と”出会える機会”を提供しています。また、プロジェクトを通じて「つながったユーザー」を地域のユーザープール(関係人口)として管理でき、継続的なコミュニケーションやつながりの創出に繋げることができます。
私たちは、SMOUTを使う地域に1人でも多くの人との繋がりが生まれるように、また機会がなるべく平等に提供できるように、サービスを改善していくことを目指しています。
一方で、プロジェクトが急増し、プロジェクトを探しているユーザーさまの選択肢が増え続けていることから、選ばれる工夫や努力で選ばれる理由を作っているプロジェクトが、機会をうまく結果に結びつけている傾向にあります。プラットフォームとしては機会を平等にすることに徹しつつ、地域の皆様が機会を活用するためのヒントや術を広く提供する必要性を感じております。
②プロジェクトを探しているユーザーについて
SMOUTでプロジェクトを探しているユーザーのニーズは多種多様です。大きく分けて2つの軸でユーザーのニーズが異なっていることをご紹介します。
まず1つ目は、移住の検討フェーズです。皆さまもご存知の通り、「移住」というのは人生の中でも大きな決断の一つであり、長い時間をかけて検討する人が多いです。その結果、情報を集めたいユーザー、地域に足を運ぶきっかけ・イベントを探しているユーザー、地域でのしごとを探しているユーザーなど、探している人のフェーズによって求めている情報やプロジェクトは異なります。
2つ目は、ユーザーの興味・関心の軸です。自然が豊かな住環境を求めている人、やりがいのある仕事を求めている人、子育てに最適な環境を求めている人など様々です。プロジェクトを作成するときには、どんなフェーズのどんな興味関心を持つユーザーをターゲットにしているのか、上記のヒントを元に想像してみるのも良いかもしれません。
③エンゲージメント等の「データ」に関して
いくつかのデータを用いて、プロジェクトを作る上で参考になる情報を紹介します。
SMOUTでは、「TOPページ」や「特集ページ」「地域のページ」など各プロジェクトへの導線が設置されているページが複数存在しています。サイト内流入経路別で見ると、「プロジェクトをさがす」ページ、「プロジェクト詳細」ページ、「TOPページ」「地域のページ」で全体の70%を占めています。特に、「プロジェクトをさがす」ページは全体のおよそ50%を占めており、プロジェクトの流入において重要な役割を担っていることが分かります。
構成比率では、次いで「プロジェクト詳細ページ」「TOPページ」となっています。プロジェクト詳細ページからの流入は、「関連プロジェクト」として表示される同一地域のプロジェクトへの回遊と考えられるため、「プロジェクトをさがす」「TOPページ」にどのようにして自分のプロジェクトを表示させるかが、サイト内集客において重要なカギになっています。※1
また、プロジェクトの「興味ある」数においていくつか代表的な数字をご紹介します。過去のプロジェクトで「興味ある」数の最高記録は460件で、中央値は17件となっています。プロジェクトの種類にもよりますが、サイト内での露出方法やプロジェクトの作り方を工夫しているプロジェクトが「興味ある」や「応募したい」数を多く獲得している傾向にあります。※2
※1. 2023/12/13~2024/01/9の28日間のデータをもとに集計
※2. 募集終了している過去プロジェクトの「興味ある数」をもとに算出
効果を最大化するTipsのご紹介
では、SMOUT内での集客効果を最大化するTipsをいくつかご紹介します。SMOUTが提供する”マッチング機会”を最大限活用するために非常に重要な内容となっております。以下に紹介するアプローチは、見てもらう人や回数を増やすことで、結果的に「興味ある」や「応募したい」といったユーザーからのエンゲージメントの獲得に繋げるアプローチです。とにかく、多くの人に読んでほしい!というプロジェクトにも活用いただけるものとなっております。
Tips1:効果的なタグ設置で機会損失をゼロにしよう
1つ目は、プロジェクトに設置する「タグ」についてです。SMOUTでは、「プロジェクトをさがす」ページから、プロジェクト詳細ページを閲覧する回数が全体の約46%(※1)を占めています。その中でも、1ページ目の割合が約77%(※2)となっており、いかに「プロジェクトをさがす」ページの1ページ目に自分のプロジェクトを表示させるかが重要になってきます。
では、どのようにして表示させることができるのでしょうか。まず、「プロジェクトをさがす」ページの基本的な表示順は「新着順」となっており、すべてのプロジェクトが公開直後に1ページ目の最上部に掲載される仕様となっております。皆様ご存知の通り、SMOUTには全国の様々な種類のプロジェクトが掲載されているため、ページを訪れたユーザーのニーズにヒットするプロジェクトが1ページ目に表示されているとは限りません。そのため、このページを訪れたユーザーは、多くのケースで自分のニーズに沿って「並び替え」や「検索」機能を活用します。このように、ユーザーがキーワードや地域でプロジェクトを絞った時に、1ページ目に表示させることができるか、が効果を最大化するためのカギです。
そこで重要なのが「タグ設置」です。プロジェクトには最大5つまでタグを設置することができるため、どういう条件で絞り込みをしたユーザーに見てほしいのかという観点でタグの種類を選び抜くことをオススメします。事前に表示したい絞り込み条件でどれくらいの競合プロジェクトが現在募集中なのかなどを見ながら、設置するタグを決めていくと良いでしょう。タグの設置が少ないとその分、表示機会を失ってしまうことになるので、なるべく5件、そしてできれば競合調査をしながら選び抜いた5件を設置しましょう。
(※1,2) 2024年1月時点
Tips2:SMOUT内ブーストを活用しよう
2つ目は、SMOUT内の拡散機能をうまく活用するためのTipsです。サイト内ブーストとは、TOP面や、ユーザー向けに配信されているメールに掲載されて、露出が増える効果のことです。すべてのプロジェクトがブーストされるわけではなく、特定の条件を満たしたプロジェクトが掲載される仕組みになっているため、どのようにすればブーストされやすいのかをご紹介します。
① 「PV数」や「興味ある数」の山を作る
TOP面やプロジェクト詳細ページの下に「人気急上昇のプロジェクト」「今見られているプロジェクトTOP5」というコンテンツがあり、一定期間のPV(ページビュー)数や興味ある数が多いプロジェクトの上位5〜6件を表示しています。このコンテンツに掲載されると、さらに多くの人の目に触れることになり、継続的に流入を獲得することができます。
Tips1でも紹介したように、プロジェクトを公開した直後に一定の露出がされる仕組みになっていますが、そのタイミングで「興味あり」をしっかり獲得することと、第二・第三の山を作ることが大事になってきます。ある地域では、自分たちで拡散できる手段をうまく使って第二・第三の山を作り、SMOUT内の集客を最大化することに成功しています。
② 定期的に経過レポートを書く
みなさんは経過レポートを活用できていますでしょうか。経過レポートとは公開したプロジェクトに情報を追加できる機能となっております。先ほど、公開した直後は1ページ目に表示されると説明しましたが、経過レポートを定期的に書くことでTOPページに定期的に表示させることができるんです!
TOPページの真ん中ほどに「新着の経過レポート」というコンテンツが用意されており、経過レポートを投稿するたびにこのエリアの上部に表示される仕組みとなっています。また、「プロジェクトをさがす」ページの並び替え順にも「経過レポートの新着順」が用意されていて、この並び替えを使ってプロジェクトを探す人には経過レポート公開直後には必ず見てもらえるという超お得なブーストとなっておりますのでぜひご活用ください。
Tips3:一覧で埋もれない画像やタイトルの「引き」の作り方
Tips1,2では、プロジェクト一覧ページでプロジェクトを表示して、バナーとタイトルを以下に多くの人に見てもらうかを目的としたTipsをご紹介しました。しかし、プロジェクトの中身を見てもらい、「興味ある」や「応募したい」を通じてマッチングを実現するためには、一覧上のバナーやタイトルでユーザーを惹きつけてクリックして貰う必要があります。横に並んでいる他のプロジェクトからクリックを勝ち取る必要があります。そこで、タイトルの付け方ついていくつかポイントをご紹介します。
①スマホでの表示最大文字数を意識しよう
SMOUTでは、80%のユーザーがスマートフォンを使ってサイトを閲覧しています。スマートフォンでプロジェクト一覧上で表示されるタイトルは最大全角22字となっており、23文字以降は省略されてしまいます。そのため、最初の22文字で「惹き」つけることが大事です。プロジェクト作成画面の右側にプレビューが表示されているので確認しながら、タイトルを付けましょう。
②不必要な情報はなるべく入れ込まない
プロジェクトの一覧ページでは、「地域名」「日付(イベントの場合のみ)」が自動的に表示されます。情報が重複しないように注意し、伝えたい内容に絞ってタイトルを付けましょう。
③「何の募集がしたいのか、何を助けて欲しいのか」といった具体的な内容をタイトルにいれよう
抽象的なタイトルよりも、内容がイメージできる具体的なタイトルのほうが注目されやすいです。募集内容や助けてほしいことの具体的なキーワードをタイトルに含めましょう。
◎良い例:寮完備!絶景のXXを望む町で日本一の〇〇づくりに取り組むチャレンジャー募集
✕ 悪い例: 〇〇町の地域おこし協力隊募集!
④似たようなプロジェクトが多い場合は、「差別化ポイント」を訴求しよう
サイトの特性上、どうしても似たような内容・タイトルになりがちです。自分たちにしかない特徴の中で、ユーザーさんに響きそうなものを差別化ポイントとして、訴求しましょう。
⑤バナーイメージとシナジーがある文言をチョイスできると尚良し
ユーザーは、バナーとタイトルを見てクリックするかどうかを判断します。難易度は高いですが、バナーとタイトルをセットでどういう情報を伝えたいかを考え、設計できると良いです。
Tips4:特集掲載を狙って、プロジェクトテーマを選定しよう!
特集とはSMOUT編集部が世の中のニーズやプロジェクトの盛り上がりなどからテーマを選定して、テーマに沿ったプロジェクトをご紹介するもので、TOPページのバナーで紹介しているのに加え、検索サイトから直接流入することも多いコンテンツとなっています。特集に掲載されることで、より多くの場所にプロジェクトが表示され露出が高まるため、公開中の特集テーマに沿ったプロジェクトをなるべく公開することをおすすめしています。
また、ダッシュボードページでは、特集掲載のために特定のテーマに沿ったプロジェクト募集キャンペーンを実施していることがあるので、是非チェックしてみてください。
番外編:地域ページの情報を埋めよう!SEO流入が見込めその地域のプロジェクト全体の閲覧数が上昇する可能性が高まります
SMOUTには「プロジェクトをさがす」のほかに「地域をさがす」というページがあるのをご存知でしょうか。移住先を検討したり関わってみたい地域を探す時に、地域から探すユーザーもいらっしゃいます。そんな時に、目にするページが各市区町村ごとに用意されている「地域ページ」です。地図情報やSMOUTが収集したデータに加え、地域の人から収集したアンケートに基づき表示される情報が掲載されています。その地域でプロジェクトを公開したことのあるユーザーならアンケートに回答することができ、このページを充実させることでGoogleやYahooといった検索サイトからの流入が増える可能性が高まります。5分ほどで回答できる内容となっていますので、ぜひ下記のフォームからアンケートにご回答ください。
さいごに
ここまで、SMOUTにおける数字や考え方を紹介しながら、実践できるTipsを取り上げてきました。私達は冒頭にも述べたように、地域の未来に関わる人と”出会える機会”を最大化し、より多くの出会いを生み出すことを目指しています。また、機会の提供と同じくらい重要だと思っているのが、機会の活かし方を伝えていくことだと考えています。今回の記事もそうですが、SMOUTを使った地域の成功事例を共有するなどしながら、少しずつ地域の皆様にとって有益な情報を発信できるようにしていきます。
引き続きSMOUTをよろしくお願い致します。