インタビュー

Q.長畑さんは移住前、神奈川県川崎市で教育関係のお仕事をされていたとか。

はい。子どもの成長に立ち会える、やりがいのある仕事でした。

ただ、都会の1K・家賃7万円の狭い部屋で、仕事が忙しくなるにつれ、ふと「これが私の送りたい日々だっけ?」と疑問を感じるようになりました。

子どもの前に立つ大人として、教育分野以外の社会も経験し、自分が本当に大切にしたい価値観と向き合うことが必要だと考えるようになりました。

Q.日々の暮らしに追われていると、自分がどう生きたいかという「根っこの部分」を考える時間が少なくなりますよね。そこからどうやって移住に踏み切ったんですか?

思い切って退職し、1年間は「移住先を探す旅」に出ることにしました。

いろいろな地域でお手伝いしながら旅していたときに、シェアハウスで出会った友人にスマウトを教えてもらったんです。

スマウトで色々な地域の情報を見ているなかで、和歌山県紀の川市の「農村ぐらし体験」を見つけて応募しました。

1週間農家さんの手伝いをして、採れたての野菜を食べる。そんなシンプルな体験が、自分にとって大切にしたいことを気づかせてくれたんです。

長畑さんを動かすきっかけとなった紀の川市での農村暮らし体験

長畑さんを動かすきっかけとなった紀の川市での農村暮らし体験

Q.直感、大事ですね。実際に移住してみて、暮らしはどう変化しましたか?

激変しました!今は2LDKの部屋に住んでいますが、住宅補助込みで実質の家賃は4万円ほど。川崎で働いていた頃の家賃の約半分です。

朝起きて窓を開けると、目の前に緑豊かな山が見える。お気に入りのレコードをかけて、ゆっくりコーヒーを淹れる。

そんな「自分を取り戻す時間」が日常の中に当たり前にあることが、何よりの幸せです。

Q.精神的な豊かさが全然違いますね。お仕事ではどんな活動をされているんですか?

現在は、地域の人と観光客が交差するクラフトビール店「呑象(DONZO)ブリューイング」や、宿泊施設の運営・プロモーションを担当しています。

移住当初は知り合いもいませんでしたが、お店に立っていると「頑張ってるね」と声をかけてくれる人が増えて。地域の中に自分の居場所ができていく実感が、仕事のやりがいにも繋がっています。

地域の方たちとの新年会の様子

地域の方たちとの新年会の様子

Q.理想的な形ですね。でも、移住に興味はあっても「失敗したらどうしよう」と不安な方も多いと思います。

私もそうでした。だからこそ、いきなり移住するのではなく、まずは「1週間」でもいいからその土地で暮らす体験をしてみてほしいなと思います。

観光地を見るのではなく、スーパーで買い物をし、夜の道を歩き、その土地の空気を肌で感じる。スマウトには、そうした「お試し」のきっかけがたくさん転がっています。

Q.まさに「体験から始まる移住」ですね。最後に、移住を検討している方へメッセージをお願いします。

仕事が始まって忙しくなると、自分の心の声は聞こえにくくなります。

だからこそ、一度立ち止まって「自分はどう生きたいか」を考える“余白”を作ってほしいです。

少しずつ、自分に必要な要素(風景、広さ、食、人)を集めていけば、きっと納得のいく場所に辿り着けるのではないでしょうか。

ありがとうございました!

編集メモ

都会での多忙な日々に疑問を感じたとき、長畑さんは1年という時間をかけて自分の足で全国を巡ってみるという方法を選びました。

各地を歩き、そのまちに住む人との対話から新しいつながりを得ることを繰り返したからこそ、琴平という場所にたどり着けたのだと感じます。

また、移住後の暮らしにおいても、住環境を含めた「自分の心地よさ」を整理する時間を意識的に持たれている点が非常に印象的でした 。

広い部屋から見える山々を眺め、コーヒーを淹れる。そんな「余白」の時間を大切にすることで、自分らしい生き方を常にアップデートし続けています 。

「自分が何を大切にしてどう暮らしていきたいのか」という問いは、日々忙しさの中でつい後回しにしてしまいがち。でも、思い切って一度立ち止まり、自分に必要な要素を丁寧に集めていくことが、後悔のない選択への一番の近道なのかもしれません。

琴平の仲間と一緒に参加したマラソン大会

琴平の仲間と一緒に参加したマラソン大会