北アルプスの麓に位置し、美しく雄大な自然がひろがる長野県白馬村は、1998年に開催された長野オリンピックではメイン会場となり、日本のスキーの聖地とも呼ばれるほど。最近は、海外からの観光客が増加するほか、国内外からの移住希望者の注目を集めています。
そんな白馬村で、二地域居住を推進する新しい取り組みが始まります。「住居」「仕事」「コミュニティ」という、移住・二地域居住の課題となる3つのポイントを、白馬村をはじめそれぞれの分野を専門とする企業や団体がコンソーシアムを結成、オールインワンのサポートプログラムが始まります。
プログラムの内容や白馬村の魅力について、白馬村長の丸山俊郎さんと、コンソーシアム参加企業であるJOINS株式会社の代表取締役、猪尾愛隆さんに聞きました。
美しい自然と、多様な人を受け入れる懐の深さ。村長が語る白馬村の魅力
「白馬村は、民宿発祥の地なんです」という言葉から、丸山俊郎村長の話は始まりました。増加する登山客に対し、地元の人たちが宿泊所を提供したことから民宿が始まった地なのだとか。
丸山村長「古くから白馬村には、訪れた方を温かく迎え入れて、家族的にもてなす姿勢があるんですね。特に冬はスキーを目当てにたくさんの観光客が来られますし、いまは海外からもいらしています。多様な人や文化を受け入れる土壌が、自然と育っているんだと思います」
また、観光客が増加する一方、人口は減少しているため、働き手や地域コミュニティでの活動の担い手は大歓迎とのこと。お祭りなどの伝統行事から自然保護活動、スポーツイベントのボランティアといった、都会では経験できない活動を通して、地元になじむ機会は豊富にあるうえ、このプログラムでは、活動の体験参加までサポートしてくれます。
丸山村長「まずはプログラムを通して、二地域居住というカタチで白馬村で暮らしてみていただければと思います。実際に住んでみて、ずっと白馬村にいたいと思えたら定住するという方法もあるのかなと思います」
夏でも涼しく、きれいな空気と美しい風景に囲まれた生活は、想像するだけでワクワクします。そのうえ、観光地であることから、おしゃれなレストランやカフェも多く、オフタイムも充実できそうです。ウインタースポーツやアウトドアを日常的に楽しめるのは言うまでもありません。
白馬村 丸山俊郎 村長
働く場所、暮らす家、集う仲間。知れば広がる移住の可能性
地方企業向け人材紹介サービスを行うJOINS株式会社の猪尾愛隆さんが最初に語ったのは、誰もが気になる仕事のこと。
猪尾さん「20〜40代の方はもちろんですが、50〜60代の方も大歓迎です。かつては転職するなら35歳限界説などがありましたが、最近も、当社のサポートで、60代の方で地域の企業に転職し移住・二地域居住された方も複数人いらっしゃいます。人手不足が大都市より早く訪れている地方では、採用や雇用形態も柔軟に変化しており、健康で意欲があれば、定年以降も70歳程度までは働き続けてほしいと考える経営者が増えて来ているからだと思います。また、過去のキャリアや経験から仕事を探すのが一般的ですが、中には新しい仕事に飛び込む人もいます。特に建設業界は人手不足で未経験OKの募集が多く、デスクワークから、未経験だった施工管理や重機運転などの資格取得もできる仕事に転職するケースもでています。」
たとえ仕事が決まっても、やはり移住はハードルが高いという人もいるはず。たとえば、自分だけ単身で移住、試してから家族を呼び寄せるという方法もあると猪尾さんは提案します。
猪尾さん「単身での「お一人移住」の方が始めやすい一方で、白馬村の課題の一つとして、単身者向けの賃貸住宅が劇的に不足*している点があります。そこで、このプログラムでは、コンソーシアムに参加するH2Innovator合同会社さんが、村内の営業されていない宿泊施設の建物を借りて、シェアハウスにリノベーションし、単身者向けの賃貸住宅をご用意する準備も行っていきます。シェアハウスであれば家具も揃っているので、すぐに住めますし、初期費用が抑えられます。お仕事が見つかって住居を探す方の選択肢の一つにしてもらいたいと思っています。」
*現状では住居が白馬村に見つからず、近隣の大町市等で住居を借りて車で通勤するケースが多くなってしまっています。
コミュニティについては、自身も東京と白馬村の二地域居住をしている猪尾さんが、村外の人にもオープンな住民のスタンスに太鼓判を押してくれました。特に地域の自然や伝統を維持していくための活動だけでなく、地域の未来を考えていくことも、役所任せにせず、住民の人たちが参加して考える場があり、そういう場も外からの二地域居住の人たちにも大きく開かれているのだとか。白馬村に関わりたい人をすでに広く受け入れている環境があるのは、大きな安心材料です。

「10年後の白馬村をどうしたいか」、代々住む方、移住した方、これから移住を考えている方などが混じり合って、地域のためにという共通の目標に向けて考え、一緒に行動できる場がここにあります。
地元の方と共に青鬼の棚田の田植え作業をする猪尾さん(白Tシャツ・写真の中央)
地元の人たちってどんな人なんだろう。
まずは、地域コミュニティの活動に参加してみては?
「村外の人にもオープンって本当?」「地元の人たちってどんな人なんだろう?」って思いますよね。本プログラムには、地元の人たちが有志で行っている地域コミュニティの活動にお試しでご参加いただける機会が用意されています。全ての機会に、本プログラムの担当者も一緒に同行するので「ひとりぼっち」にならずに安心。まずは地元の人たちとつながってみてください。
本プログラム参加を検討している方へ
なかなか体験できない特別な地域活動へご招待
1.「青鬼の棚田」で紫米の稲刈り作業、参加者募集!
重要伝統的建造物群保存地区に選定されている青鬼地区の棚田は、棚田百選にも選定され、白馬村の特産品である紫米が栽培されています。地域住民の減少や高齢化で棚田の維持管理が難しい状況になってきている中、白馬村の原風景とも言えるこの棚田をみんなで守っていきたいという想いで、青鬼に関わっていただける方を増やそうと活動している方々がいます。
今年度、棚田をお借りしてみんなで紫米を手植え&手刈りを体験してみる機会をご用意いただきました。今回は、手刈りで収穫する作業への参加者を募集致します。
- 開催日時:2025/9/27(土)(天候により延期の可能性あり)
- 最大募集人数:3人(先着順)
- 参加費:無料(参加に伴う現地への宿泊費、交通渡航費等は自己負担となります)
- 申込締切:2025/9/20
- 主催:青鬼棚田サポーター
- 注意事項:ボランティアとしての参加となり、参加に伴うケガや事故などについては自己責任と
なります。ご了承ください。
▶︎詳細はスマウトのプロジェクトページで
2.白馬・八方池の泥かき出し作業、参加者募集!
標高2,060mにある八方池は、雪に押し出された土砂が堆積した場所に、雪解け水や雨水が溜まってできた「天然池」です。残雪の解氷風景や、好天に恵まれた日に望む池越しの白馬三山はまさに絶景で「米国CNN日本の最も美しい場所36選」にも選出されました。
八方池では、土砂が池に流れ込んで徐々に堆積し始め、クロサンショウウオなど自然の生物が暮らす環境に影響を与えることを防ぐために、八方尾根自然環境保全協議会が中心となり、関係者や地元ボランティアなどの方々と共に、「浚渫(しゅんせつ)」と呼ばれる水底をさらって土砂などを取り除く作業を実施しています。
今年は、10月10日(金)に開催。八方池までは、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、約1時間のトレッキングと泥だらけとなる作業でクタクタとなるそうですが、八方池の中に入ることが許されるのは1年でもこの機会だけ。ご関心がある方はぜひご参加ください!
- 開催日時:2025/10/10(金)
- 最大募集人数:5人(先着順)
- 参加費:無料(八方池への移動に伴うリフト・ゴンドラ費用も無料となります。参加に伴う現地への宿泊費、交通費等は自己負担となります)
- 申込締切:2025/10/3(金)
- 主催:八方尾根自然環境保全協議会
- 注意事項:ボランティアとしての参加となり、参加に伴うケガや事故などについては自己責任となります。ご了承ください。
▶︎詳細はスマウトのプロジェクトページで
3.「百馬力」の集会への参加
白馬が大好きな多様な人々が集い交流することで価値の掛け算を生み出し、白馬をもっと楽しく美しく住みやすい地域にできるのではないだろうか…。そんな想いから、つながりの場づくりを目的として2015年7月に百馬力は誕生しました。
プレゼン&ブレスト形式の定例会、ゲストスピーカーの講演やパネルディスカッションから学ぶシンポジウム、テーマを絞ったワークショップなどの場を設け、白馬に関わる一人ひとりがこの地域をジブンゴト化する(当事者意識を持つ)ことを活動の目標としています。
現在、2025年11月頃に第13回百馬力集会の開催が予定されています。こちらも代々白馬村に住む方、移住者、移住を考えている人、ちょうどその時に白馬に来ている人、地元の中高生から、外国人まで、関心ある方がオープンに参加できる集会です。住民や外からの人も混ざって、地域の未来を一緒に考えて、そこから新たな取り組みが生まれる場がオープンにある地域はそんなに多くありません。ご参加お待ちしています!
- 開催日時:2025年11月頃開催予定
- 最大募集人数:5人(先着順)
- 参加費:あり(参加に伴う現地への宿泊費、交通費等も自己負担となります)
- 申込締切:未定
- 主催:百馬力
- 注意事項:ボランティアとしての参加となり、参加に伴うケガや事故などについては自己責任となります。ご了承ください。
- 詳細:※受付開始次第ご案内いたします。
身体を動かす活動や会議に参加して飲み会に参加するだけの活動など、白馬ならでは四季折々の活動が豊富にあります。「この地域の一員になりたい。」と思えるか確かめにきてください。
まずは、本プログラムへのエントリーをお願い致します。
エントリーフォームのお申込み期限は、2025年11月30日となります。
白馬村で働く!50-60代歓迎や、未経験OKのお仕事も。
自分らしいお仕事が見つかるかも。
白馬村の中心は観光業と建設業。特に、観光業は、世界中から観光客が訪れるリゾートに変貌をとげつつあり、スキー場・ホテルなどの観光・宿泊業では、圧雪・リフト整備、ホテルのマネージャー、営業・マーケティング、施設管理、経理などの管理業務、英語・中国語などを活用したインバウンド接客業務のお仕事があるそうです。
また、観光インフラ整備や建築などの村内需要に支えられる建設業では、重機オペレーター、施工、トラック運送、施工管理、営業等のお仕事が多く、特に近年人手不足が激化しており、積極的に未経験者を受け入れ、資格取得などをサポートする企業が増えてきているとか。
50-60代歓迎のお仕事も多数。本プログラムでは、白馬村で、地域の企業の仕事を見つけたいという方に、皆さんのご希望の仕事内容や働き方などをオンライン相談でお伺いして、皆様にあったお仕事を探してくれます。
本プログラムの活用方法
「地域コミュニティの活動に参加」からでも、「地域企業のお仕事探し」からでも、同時に進めるでも、進め方は自由自在。まずはエントリーフォームにご登録して、ご希望をご登録ください。皆さんのエントリーをお待ちしております。
エントリーフォームのお申込み期限は、2025年11月30日となります。
どんな人たちが本プログラムを運営しているの?
白馬村役場とJOINSのスタッフが登壇
<9月24日(水)19時 からプログラムのオンライン説明会開催>
白馬村の魅力は絶景だけじゃない。本プログラムを運営するメンバーから、白馬村役場とJOINSのスタッフが登壇。白馬村の住民がどういう人たちで、これから移住や二地域居住を考えている人たちにもどのような関わりしろがあるのかという「コミュニティ」のこと、白馬村のリアルな「住居事情」、そして、どんな「お仕事」が多く、どんな人が活躍できるのか、などについてご説明します。
「長野県白馬村 つながる・暮らす・働くのオールインワンサポートプログラム」オンライン説明会
- 開催日時:2025年9月24日(水)19:00-20:00
- 開催方法:オンラインセミナー(Zoomウェビナー)
- ※お申し込み頂いた方に、視聴用URLを後日お送りします。
- 登壇者:白馬村役場 総務課 企画政策係長 渡邉宏太、JOINS株式会社 代表取締役 猪尾愛隆
- 参加費:無料
▶︎詳細はスマウトのプロジェクトページで
オンライン説明会のお申し込みは、下記のフォームよりご申請ください。