今は、住んでいる場所も働き方も「すごく見晴らしがいい」。 東大で物理学を研究していた西塔大海さんが、福岡・上毛町での暮らしを選んだ理由
東九州のアーバンライナー「特急ソニック」が中津駅に着くと、背の高い男性が出迎えてくれました。西塔大海さん、33歳。福岡県東端のまち・上毛町に移住してちょうど満5年を迎えたばかりです。 中津駅から、西塔さんが暮らす集落までは車で30分ほど。収穫期を迎えた、黄金色の麦畑のなかを走っていきます。「この川を越えると上毛町です」と西塔さん。車のハンドルに、親指だけを折った手を広げて説明してくれました。 西塔さん「この手のかたちのように、上毛町には平地と4本の谷筋があります。僕たちが住んでいるのは、小指の指先の場所。つまり上毛町の東端です。一番短い谷筋の突き当たりにある集落です」。