経歴より「島に馴染めるか」。38人と面談して見極めた離島の採用術

経歴より「島に馴染めるか」。38人と面談して見極めた離島の採用術

ユーザーページ 伊平屋てるしのワーク協同組合
スマウト導入 2025年10月〜
ご担当者さま 仲川  愛美さん

課題

  • 新設の特定地域づくり事業協同組合における短期間での人材確保
  • 島の知名度が低く、移住希望者に島を知ってもらう手段が不足
  • 濃密なコミュニティがある島だからこそのミスマッチによる早期離職リスク

打ち手

  • 求人業界での経験を活かし、文面に人気ワードを活用
  • なるべく「5分以内」の即レス。プレミアムプランの自動返信機能を活用し面談を案内
  • 求職者に寄り添う「選べる面談」と「島に馴染めるか」という選考軸の徹底

成果

  • 「興味ある」約170件・「応募したい」21件というプロジェクトも。累計応募は100件を超える。
  • 約5ヶ月で、面談・面接を38人と実施。面談者の約8割が「スマウトで初めて伊平屋村を知った」と回答。
  • スマウト経由で2名、内部採用1名の計3名を採用。

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沖縄県最北端の有人島・伊平屋島と野甫島(のほじま)からなる伊平屋村(いへやそん)。

今回取り上げるのは、沖縄県で唯一の特定地域づくり事業協同組合である「伊平屋てるしのワーク協同組合」の採用事例です。

「特定地域づくり事業協同組合」は、単独の事業者では難しい『正社員雇用』を、複数の企業が連携して実現する組織です。採用された人材はマルチワーカーとして地域のさまざまな業種の企業や法人などで働くことになります。人手不足の解消に寄与する一方、働き手にとっても「年間を通じた安定収入」と「島内にたくさんの顔なじみができる」という利点も。スマウトではこれまで70を超える特定地域づくり事業協同組合(以下、特地)にプロジェクトを掲載いただいてきました。

2025年7月に設立されたばかりの同組合で採用を担うのは、2024年4月に地域おこし協力隊として移住した仲川さん。求人広告の営業・制作で培った約5年のキャリアを活かし、思わず目を引くプロジェクトと徹底した即レス対応によって、累計100件を超える応募につながりました。

それでも採用の決め手は、スキルや経歴ではなく「島に馴染めるか」の一点。大きな反響を生み出した仲川さんのプロジェクト作成のテクニックと、面談した38人と向き合った末に生まれた出会いをご紹介します。

導入前の課題と、スマウトで実現したかったこと
設立直後の特地が求めた、島に馴染む「3人」

伊平屋てるしのワーク協同組合の設立は2025年7月24日。同年10月に事業を開始し、2026年4月の派遣開始に向けて、複数の事業者で働くマルチワーカーを最低3名確保することが目標でした。

スマウトを知ったきっかけは、立ち上げ準備中に見た総務省の事例動画です。YouTubeで公開されていた各地の事例報告の中で、多くの特地がスマウトを活用していることを知り、先行する特地へヒアリングを行なった際にも、決まって「スマウトで募集していますよ」という声が返ってきたといいます。また導入検討の段階には他の一般的な求人媒体の効果事例や採用単価を比較。「最もコストパフォーマンス高く人材採用ができる」ことが決め手になりました。

求める人物像は極めてシンプル。
「とにかく『島に馴染める人』。ほぼそこだけですね」と仲川さんは語ります。人口が少なく人間関係が密な島暮らしでは、どれだけスキルや経歴が申し分なくても、地域の暮らしに馴染めなければ長く続きません。ターゲット年齢は45歳までを目安にしつつ、全国から“島に合う人材”を見つけ出すことが、スマウト導入の最大の狙いでした。

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地域の魅力と弱み
息をのむ海と、濃密な人付き合いという二つの顔

伊平屋村の最大の魅力は、各プロジェクトページのメイン画像にも使用されている透き通った海と、手つかずの自然です。島に魅せられて通い詰める写真家やリピーターの観光客が、「島の採用活動に役立ててほしい」と無償で素晴らしい写真を提供してくれるほど、島を大切に思う人の輪も広がっていることも大きな強みです。

一方で、都市部での暮らしに慣れた人にとって、この島の暮らしには戸惑いを感じる面があるのも事実です。

例えば自然豊かな環境ゆえの虫や住環境の違い、そして「島ならではの濃密な人間関係」です。住まいは村が用意し、組合からは家賃補助を出すなどサポート体制を整えていますが、島全体では住宅が不足気味であることは否めません。また、地域と密着した人間関係は「温かい手厚さ」である反面、1人の時間を静かに過ごしたいタイプの方にとっては、時に負担となってしまう可能性もあります。

運用方法と工夫
5分以内の即レスと、全員に会う面談設計

仲川さんが実践した運用は、「目を引くプロジェクト作成」と「徹底した即レス」の二本柱です。

プロジェクトづくりには、求人広告の営業と制作に約5年携わった経験が活かされています。メイン画像は「この島の最大の魅力である綺麗な海を見せる」という方針に則り、写真家が撮影した美しい海の写真で数パターン用意してユーザーの反応を比較検証。

タイトルには前職で効果の高かった「立ち上げメンバー」「二期生」などの人気ワードを盛り込み、掲載前には伸びている他地域の特地のプロジェクトを徹底的にリサーチし、使えそうなキーワードを採り入れていきました。

もう一つの柱が「徹底した即レス」です。前職時代に「応募から5分以内に返信すると面接の設定率が上がる」と分析していた経験から、スマウトの通知をLINEとメールに連携。スマウトの利用開始当初は夜間や土日も携帯で返信していた、という仲川さん。今も返信が数日空くことはほとんどないと言います。

さらにプレミアムプランの自動返信機能をフル活用。「興味ある」を押してくれたユーザー全員に自動返信で応募や面談の案内を送信しています。

また「応募したい」を押してくれたユーザーには年齢などの前提条件から外れる場合を除き、基本的に全員と日程調整を実施。その際、相手の熱量に合わせ「気軽なカジュアル面談」か「履歴書を添えての選考面接」を、応募者自身に選んでもらうようにしました(実際の比率はカジュアル面談がおよそ6割、選考面接が3〜4割)。面接の場でも自身の移住体験談を交えながら親身に対話することで、応募者の本音を引き出しています。


成果と、出会えた人たち
38人と向き合い、「一緒に飲みたい」と思える人と出会う

インタビュー時点で募集中のプロジェクトには「興味ある」が約170件、「応募したい」が21件。過去のプロジェクトでも平均して30件近くの応募があり、累計の応募数は100件を超えました。2026年4月から8月末までの短期間で、面談・面接をした人数は38名にのぼります。

多くの人との対話を重ねたからこそ、仲川さんの判断軸は極めてシンプルかつ揺るぎないものになりました。「学歴や職歴だけで判断して採用し、現地でミスマッチが生じるケースはいっぱいある」と仲川さん。

明るく、物事を気にしすぎず、人と過ごす時間を心から楽しめるかどうか――何よりも島に馴染めるかを見極め、どれだけ素晴らしい経歴の持ち主でも合わないと感じれば組合側から見送ることもあります。

そうしてスマウト経由で採用に至ったのは、広島県で長く美容師を続けてきた30代後半の男性と、兵庫県から移住した45歳の自衛隊出身者の2名です(内部採用の1名と合わせ、目標の3名の獲得を達成)。自衛隊出身の方はその後家庭の事情で退職となりましたが、「問題が解決したら島に帰ってきたい」と話すほど円満な別れだったといいます。

一方の元美容師の男性は「驚くほど島に馴染んでいる」のだそう。着任直後、仲川さんが家やゴミ出しのルールを案内した日に飲みに誘って自身のコミュニティへ招き入れると、1ヶ月後には毎日のようにどこかで杯を交わすように。今ではマルチワーカー2人で仲川さんの家に遊びにくるほど、深い信頼関係で結ばれています。

仲川さんをよく知るカフェの店員さんには「仲川さんって、結局自分が一緒に飲みたい人を採っているよね」と指摘され、「言われてみればまさに全員そうでした!」と仲川さんは笑います。それほど「島に馴染むか」を感覚的に掴み判断軸にしている仲川さんだからこそ採用は成功したのかもしれません。

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同じ評価と今後の活用
移住前提の母集団が、島の知名度も押し上げた

仲川さんがスマウトに感じている価値は、「移住を前提に考えている人が数多く集まる媒体」である点です。一般的な求人媒体とは異なり、「地域で暮らしたい・働きたい」という意思をもった層と初期の段階から出会えるためミスマッチの少ない採用活動ができているといいます。

さらにその効果は単なる人材採用にとどまりません。
面談・面接をした38人のうち、約8割が「スマウトで初めて伊平屋村の存在を知った」と回答。採用が決まる前の段階で島を訪れる人も現れるなど、認知拡大や関係人口の創出にも大きな役割を果たしました。

また実際にマルチワーカーの派遣が始まると、受け入れ側の事業者も「こんな風に使えるのか」と理解と信頼が拡大。派遣先として新たに登録を希望する事業者数も増加傾向にあります。さらに若手の少ない地区に若いスタッフが暮らしはじめることで、住民から「来てくれてありがとね」と声をかけられるなど地域コミュニティそのものにも変化が生まれているそうです。

地域おこし協力隊として「行政」の視点も併せ持つ仲川さんは、「今後は特地だけでなく、村全体のメリットにつながる形でスマウトを活用していきたい」と話します。

同じ課題を持つ特定地域づくり事業協同組合へのメッセージ
人気ワードと即レス。まずは「基本」の徹底から

これから人材採用や移住促進に取り組む特地に向けて仲川さんのアドバイスは非常に明快です。
「ユーザーの目を惹く人気ワードは、目につくところにどんどん入れた方がいい。星や絵文字などを使って、アピールしたい箇所を際立たせる工夫も大切ですね」。

そして何より即レスの大切さを力説します。「せっかく『応募したい』『興味あり』という熱いアクションをもらっているのに、対応が遅れて機会損失を起こしているケースが多いのではないかと思います。ここを頑張るだけでも結果は変わってくるはずです」と仲川さんは力を込めます。

ただし、小手先のテクニックだけで採用が成功するわけではありません。
「どれだけ応募数を集められるか。そして集まった求職者一人ひとりとどれだけ向き合い、対応できるか」。その両輪があってこそ、島に根づく人との出会いが生まれます。

地元で長く暮らす事務局長が信頼を担い、移住者の仲川さんが新しい動きを担う――絶妙なチームバランスも、伊平屋てるしのワーク協同組合の強みの一つです。
「従業員の採用というより、本当に仲間になってくれそうな方を採用する感じ」と語る仲川さん。人を“採る”のではなく、共に暮らす仲間を“迎える”。その姿勢こそが、何よりのヒントかもしれません。

 

スマウトで地域に移住した人のインタビュー記事はこちら

 

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