移住アワード2023上位地域!伊那市、海士町、和泊町のプロジェクト参加者へのインタビューからわかる、様々な「地域体験」と体験後の変化

移住アワード2023上位地域!伊那市、海士町、和泊町のプロジェクト参加者へのインタビューからわかる、様々な「地域体験」と体験後の変化

先日発表したSMOUT移住アワード2023にて年間ランキング上位となった長野県伊那市、島根県海士町、鹿児島県和泊町。これらの地域で人気を博したプロジェクトに実際に参加したSMOUTユーザーにインタビューを実施しました。

数日〜2週間の短期体験に参加した人、体験の後に地域おこし協力隊員になって移住した人などそれぞれの参加のきっかけや生活の変化など、参考になるお話を伺うことができました。

「2-4週間!宿泊費無料!森の仕事!!働きながら地域を知る!ふるさとワーホリ!」参加者・松本修さん(兵庫県出身)

award_interview_1イベントで、小さなお子さんが丸太を切る体験に寄り添う松本さん

松本修さんプロフィール
兵庫県加東市出身、30代。大学卒業後、大阪でSEになり、その後、東京の出版社や京都の飲食店など業種を変えて転職しながら自身にフィットする仕事を模索。現在は農業をメインに林業や宿も経営したいと、2024年4月から兵庫県丹波篠山の地域おこし協力隊として活動。2023年秋に2週間、伊那市の「ふるさとワーキングホリデー(森の仕事)」に参加した。趣味はランニング、読書、料理。

Q:プロジェクトに参加したきっかけは?

A:これから農業や林業で生計を立てていきたいと思ってSMOUTを見ていたところ、伊那市が掲載していたNPO法人森の座さんでの林業体験のプロジェクトを知って。木を伐って売るだけでなく、伐った木を有効利用するためにお茶を作ったり、木を切ること自体もイベントなどで体験にされていたり、面白い事業をやっていらっしゃるなと興味を持ちました。伊那市は面積の82%を森林が占めていて、豊かな緑に恵まれた地域なんですよね。

Q:プロジェクトでどんな体験をされましたか?

A:2週間の間に林業に関するいろいろな勉強をしました。木の伐採や伐倒について学んだり、炭を作る作業、切ったアカマツの松葉を製品にするための選別、ワーケーション(伊那市の事業)を受け入れていたのでそのお手伝い、マルシェで行っている丸太切り体験のお手伝いなどなど。

Q:印象に残っていることは?

A:いちばんは、森の中でめちゃくちゃ太いアカマツを伐倒している姿を間近で見て、迫力がすごくて「おおお!!!」と圧倒されました。

Q:プロジェクトに参加してみていかがでしたか?

2週間生活する中で、森や林業が身近にある伊那市の暮らしと仕事が体験できてよかったです。林業体験では、今までしたことのない作業にたくさん挑戦させてもらうことで非常に勉強になりましたし、今後住んでみたいと思う地域の一つになりました。また、2週間という期間が、お試しでちょっと伊那市をのぞいてみたいという自分に合っていました。より地域の人とつながりたいなら、1か月とかもっと長期間住んでみてもいいのかな。

Q:伊那市はどんな場所でしたか?

A:森というか山が近くて、中央アルプスと南アルプスに囲まれて景観もいいですし、山登りにもすぐ行けるし、山好きにはたまらないですね。出会った人も良かったです。プロジェクトのコーディネーター(伊那市の地域おこし協力隊)の方も森の座の方も、みんなに良くしてもらって。山のプロのおじいちゃんから若い方まで、5人くらいでワイワイ仕事してワイワイご飯を食べて。楽しかったなぁ……またみんなに会いに行きたいです。ワーホリ体験後は丹波篠山の地域おこし協力隊になりましたが、ワーホリで経験したことをどんどん活かしていきたいし、今後いろいろな取り組みの中で伊那市と連携していきたいと思っています。

Q:移住や体験に興味のある人に一言!

地域に馴染めるか、仕事はうまくいくか、いろいろ心配はあるけれど、結局行ってみないと分からないので、まずはプロジェクトに参加してみて、自分の想像と合っているか答え合わせをしてみたら良いと思います。そういう意味で、今回のワーホリのように2週間〜1か月ってちょうど良いのかも。まとめて時間が取れない方は、週末やイベントのタイミングで複数回に分けて通ってみるのもオススメです。SMOUTは伊那市をはじめプロジェクトのバリエーションが豊富なので、自分に合うものが見つかりやすい。いろんな地域のプロジェクトを眺めているだけでも、どこに行こうか想像が膨らんで楽しいですよ。

「『週末島移住』― 島と自分。リアルにふれる3日間 ―」「【3ヶ月インターンシップ制度“島体験”】あなたらしい手触り感のある挑戦をしてみませんか?」 プロジェクト参加者・油幸歩さん(京都府出身)

award_interview_2_2「海士町は開放的な空気でリフレッシュできるんです」と笑う油さん

油幸歩さんプロフィール
京都府京都市出身、20代。福祉と国際関係を専攻する大学生。2024年2月に、3日間の週末島移住を体験した後、この4月から「3ヶ月インターンシップ制度“島体験”」に参加し、海士町に滞在中。インターン生として、「島体験・島留学」の運営をサポートする広報部で働くことが決まった。趣味はアニメ鑑賞、カフェめぐり。

Q:プロジェクトに参加したきっかけは?

A:2023年の夏に、大学の授業の一環で初めて海士町を訪れました。その時に島のおじいちゃんおばあちゃんがすっごくフレンドリーに話しかけてくださって。道端で会っただけでこんなに普通にしゃべっていいんだ!とびっくりしたと同時に、ここに住んで自分がどう感じるかを知りたくなったんです。この場所で非日常を楽しんでいるのか、快適だと感じているのか、住んでみたらわかるのかなと。人との距離がすごく近い場所で暮らすってどういうことだろうと興味を持ちました。

Q:プロジェクトでどんな体験をされましたか?

A:私がいま参加している、3か月間滞在の「島体験」や、1年間の「島留学」をしている先輩たちと交流する時間が多かったです。一緒にご飯を食べている時にリアルな体験談が聞けて、「島に来て価値観が変わった」「この歳になって深くしゃべれる友達ができると思わなかった」というお話が印象に残りました。あとは島を案内してもらったり、「島体験」での働き先になっている会社を見学したり。1日目の夕方に着いて3日目の午前中には帰るので、あっという間でした。

Q:その後、3か月間の「島体験」に参加しようと思った決め手は?

A:もともと「島体験」に参加するか迷っていたので、その前に3日間のプロジェクトで背中を押してもらった感じです。先輩方の姿を見ながら、自分が島で生活しているのを想像して「ここで勉強や仕事ができたらいいなぁ……よし、来よう!」って。私はもうすぐ大学を卒業するのですが、将来の仕事に悩んでいて。自分がどういうことをしたいのか、どういうことを楽しいと思っているのかを、ここで人と出会い、働き、考えながら整理したいと思って参加を決めました。

Q:「島体験」ではどんなことをしていますか?

A:週4日はインターンのお仕事、1日は島体験生が企画する魚捌きや島の人との交流会、哲学討論などの研修、残り2日が休日です。私は「島留学・島体験」運営事務局の広報チームに配属されて、SNSの投稿や動画の撮影方法を教えてもらいながら挑戦しています。事務局のメンバーはIターン移住された若い方たちが中心なのですが、自分たちでバリバリ引っ張って運営されていてすごいなって思いました。

Q:海士町に滞在してみて、いかがですか?

A:こんなに気持ちよくてリフレッシュできる環境は久しぶり!という感じです。普段、大学ではスマホやPCなど手元ばかり見ていて、外に出てもビルばかり。景色が開けて遠くまで見渡せる心地よさを思い出しました。ぐるっと海に囲まれた防波堤の先っぽがお気に入りなんですけど、そこで寝転びながら本を読んでいても、誰も気に留めないのも楽です。都会でやったら「なんだこいつ」って思われるけど、ここでは「なんかやってるな」ってスルーされるのがちょうどいい。あと海士町が面白いのは、レトロとモダンが共存している雰囲気です。自然や建物、島の暮らしなど昔ながらの趣がある中で、「島体験」やIターン移住の若者が新しく面白いことをやっていこうとするのを受け入れる空気がある。海士町は昔から島流しや船の停泊場として人の出入りが激しい島だったので、新しい文化や人を受け入れることに寛容なんだそうです。

Q:「島体験・島留学」に興味のある人に一言!

A:海士町にはフレンドリーで優しい島の方々だけでなく、「島体験」の仲間や、色々な経歴を持った移住者が集まっているので面白いです。私の場合、周りの友達が就活している中で自分はどうしようと焦りと不安がありましたが、島に来たら「そんな人生あり!?」みたいな面白い生き方をしている人がたくさんいるので、勇気をもらって楽になりました。

「【旅するように暮らす】 島をもっと楽しいフィールドに。島旅プランナーを募集!」 プロジェクト参加者・浅野舞子さん(宮城県出身)

award_interview_3愛犬・ラー子と近所のビーチを散歩する浅野さん

浅野舞子さんプロフィール
宮城県仙台市出身、40代。大学卒業後、カスタマーサポート領域の会社員として20年以上勤務。転勤が多く、東京、大阪、福岡、神奈川に居住経験あり。2023年5月に、2泊3日おためし協力隊ツアーに参加し、同年9月から和泊町の地域おこし協力隊として、一般社団法人おきのえらぶ島観光協会で働いている。趣味は愛犬、旅。

Q:プロジェクトに参加したきっかけは?

A:3年前に犬を飼い始めて、マンションから一軒家に引っ越したいと近場で探していたのですが、独り身なので縛られる必要はないなと選択肢を全国に広げたのと、転職も迷っていたので「移住と転職どっちもすればいっか!」と思って、SMOUTで情報収集を始めました。移住するなら地域にしっかり入って仕事をしたくて「地域おこし協力隊」の募集で検索していたんです。そしたら和泊町の記事に「旅するように暮らす」ってその時の自分に刺さる言葉があって、内容も面白く書かれていたので飛びついちゃいました。

Q:プロジェクトでどんな体験をされましたか?

A:地域おこし協力隊になるためのおためしツアーで、任命後の勤務先が観光協会だったので、観光協会の仕事を紹介してもらったり、役場や地域おこし協力隊のOBの方々と懇親会をしたり、ビーチクリーンや、島で有名なケイビング(洞窟探検)にも連れて行ってもらいました。私以外に5人の参加者がいましたよ。

Q:おためしツアーに参加して、「地域おこし協力隊に挑戦しよう」と思った決め手は?

A:2泊3日の中でネガティブな印象がなくて、観光地化されていない自然が残る離島っていいなぁ、チャレンジしてみようって。都会の生活に疲れていたのも大きいですね。朝から晩まで仕事に追われて気持ち的に窮屈さを感じていて、こんな都会の便利さはいらないやって。あと、もし合わなかったら馴染みのある場所に戻ればいいやと思っていたので、不安はなかったです。住んでみないと分からないこともたくさんあるでしょうしね。

Q:移住して、どんな生活を送っている?

A:地域おこし協力隊として、観光協会の仕事全般を担当しています。お土産の販売や観光案内などお客様の対応、イベントの準備、業務改善の仕組みづくりなどなど。私のミッションは、旅行や体験のコンテンツを企画して運営することなので、まだ具体化はできていないですが、私自身が体験して島のことを知る良い機会になると感じている、農家さんや土産物を作っている島の人たちと旅行者の交流が生まれるコンテンツを作りたいと思っています。仕事の後は、犬の散歩してビール飲んで本読んで寝る!みたいな最高の生活。移住前は仕事中心の生活でしたが、人生を楽しむ時間が増えました。ふらっとビーチに朝日を見に行ったり、夜は星空を眺めたり、日常でそういうことができる幸せを実感しています。

Q:移住してみていかがですか?

A:和泊町で私が気に入っているのは「自然と人」。旅行で訪れた方が口を揃えて「島の人たちが優しくしてくれました」「人がすごくいいです」って言うくらい、基本的にみんな優しいです。 友達が道路を歩いていたら「乗っていきなよ」って逆ヒッチハイクされたり、近所を歩いてたら「これ食べる?」って話しかけられるのが当たり前なのがすごい。古き良き「おもてなし」文化が島に根付いているのを感じます。人に対する壁がないのがすごくいい。都会のコミュニティの関わり方とは全然違って、距離が近すぎると感じる人もいるかもしれないけど、私は心地よいですね。

Q:移住や体験に興味のある人に一言!

A:行動あるのみ!合う合わないは人それぞれですし、ダメなら自分が好きな場所に戻れば良いと思っています。1回限りの人生、やりたいことができる素敵な人生になりますように。


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