都心へすぐなのに、海も山も温泉もあるまち。コロナ時代の移住先として小田原が選ばれる理由とは?

都心へすぐなのに、海も山も温泉もあるまち。コロナ時代の移住先として小田原が選ばれる理由とは?

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、テレワークの機会が増えた人も多いのではないでしょうか。これまでは都市部への通勤を前提に、通勤時間と環境を天秤にかけることも多かったのが、通勤の必要がなくなり、暮らす環境の自由度が増し、移住を考える人も増加傾向にあります。つまり、テレワークの普及によって働き方だけでなく、暮らし方も大きく変わりつつあるのです。

実際に、移住スカウトサービス「SMOUT」が2020年9月に行ったアンケート調査でも、在宅勤務やテレワークができるようになったことを受けて、引越や移住を考えているかという質問に、59.0%の人が「引越や移住を考えている」と回答しています。

ただ、完全に出社の必要がなくなったわけでもない人も多く、勤務地から遠く離れる移住には、いまもなお大きな決断が必要となります。そう考えると、ポストコロナ時代には、都市部へのアクセスがよく、生活環境も良い“適度な田舎”のニーズが高まるのではないでしょうか。

神奈川県西部に位置する小田原市は、都心まで新幹線で約30分というアクセスの良さもあり、東京に軸足を置きながら移住先を探す際に選択肢の一つとなる場所です。

そこで実際、小田原市は移住先としてどうなのか、東京の企業に勤務する移住者と、テレワークをする場合に参考にしたいコワーキングスペースに、どんな働き方ができそうか、話を聞いてきました。

移住者インタビュー #01  フルリモートで趣味の時間が充実

都内のIT企業でSEとして働く横山幸平さんは、今年の9月に神奈川県川崎市から小田原市に住まいを移しました。小田原への移住を考えはじめたのは去年のこと、学生時代からの友人が小田原出身で、遊びに行ったり、小田原の友人を紹介されたことがきっかけだったそう。

しかし、東京都世田谷区にオフィスがあり、電車通勤が嫌いで会社に歩いていける距離に家を借りていた横山さんにとって、移住は会社をやめることを意味し、決断することは難しかったのだとか。

それが今回の新型コロナウイルス感染症の流行で、会社の勤務形態がフルリモートになり、出勤の懸念がなくなって移住を決断しました。

移住先を小田原に決めた最大の理由は友人関係ですが、他にもいくつもの理由があったそう。

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横山さん「東京を離れる条件として、自然があって、水が美味しくて、温泉が近くにある場所がいいと思いました。それから、趣味がたくさんあるので、それができるところ。趣味は、釣り、料理、DJ、作曲、ギター、読書、狩猟、ドライブ、バイクなどです。

小田原以外では三島や富士吉田も考えましたが、東京へのアクセスを考えると小田原が一番いいと思いました。東京にもコミュニティがあるし、会社に行く必要が出てくる可能性もあるので。」

小田原を選んだ理由は人と趣味が主で、仕事のことも少し考えてということのようです。実際移住してみて、暮らしはどう変わったのでしょうか。

横山さん「めちゃくちゃ良くなりましたね。早朝や仕事終わりに早川港に行って釣りをしたり。釣った魚もそうですが、スーパーでも安くて鮮度のいい魚が売っているので、料理も楽しんでいます。週末は箱根とか周辺にツーリングやドライブに気楽に行けますし、いいことばかりです。」

仕事環境としては、どのような変化があったのでしょうか。

横山さん「セキュリティ上、残念ながらコワーキングスペースなどは使えないので仕事は自宅で作業をしていますが、もともと一人のほうが集中できるタイプなので、むしろリモートワークのほうが向いていると感じています。相談や雑談がしにくくなったというのはありますが、後輩などには積極的に声をかけていますし、週末に会社の友人を自宅に招いてコミュニケーションしたりもしています。」

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立って仕事をすることも多いという横山さん

暮らしも仕事も充実し、月のランニングコストも下がっていいことばかり。そして不満があるとすれば「東京と比べると、夜遅くまでやっている店が少ないこと」くらいという横山さんですが、小田原というまちにどんな印象を持っているのでしょうか。

横山さん「古いまちにありがちな排他的な感じがない、というのが最初の印象でした。宿場町のような文化が残っているのか、来る者は拒まずという感じで気楽に話しかけてくれますし、受け入れられている感じがします。」

移住者にとって、暮らしている人たちとの関係性は悩みの種になることもありますが、小田原ではその心配はなさそうです。横山さんは、さらに自分でもまちに対してアクションを起こしたいと考えているそうです。

横山さん「いろいろな人とコミュニケーションして、コミュニティやイベントに参加したり、自分でもつくったりしたいという気持ちを持っています。平日は仕事をして、週末には自分の活動をして、なにか形になったらいいなと。せっかくなら小田原の人たちのためになることができたらいいなと妄想しています。」

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ベランダで干し柿づくり

趣味の狩猟で獣害の解決に貢献したり、DJのスキルを生かしてクラブイベントをやるなど、小田原の人たちのための活動につながりそうな趣味をたくさん持つ横山さんですが、移住というよりは、引っ越しの延長のように軽やかに小田原に移り住んでいるのが印象的でした。

横山さんのように、リモート勤務が増えたことで、小田原が引っ越し先の選択肢に入るようになる人は、思いのほか多いのかもしれません。

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昭和9年創業の古い銭湯「中嶋湯」。現役の番台が残る人情銭湯なのだとか

移住者インタビュー #02  子育ても仕事もしやすい地域環境

二人目の移住者は、IT企業の営業職についている望月裕介さん。出身は静岡県で東京で就職、その後大阪に転勤になり、東京に戻るにあたって住まいを探す中で小田原が選択肢として上がってきたといいます。

望月さん「大阪では、千里ニュータウンに住んでいて、まち全体が公園のようですごく環境が良く、しかも大阪の中心部にも近かったかったんです。東京で同じような環境はなかなかなく、都心から西の方へ目を移していった結果、小田原にたどり着きました。

新幹線を使えば会社まで1時間弱で行けて、子どもが育つ環境としても理想的でした。海も山もあるのに加え、住民のほとんどがサラリーマンのような東京近郊のベッドタウンとは違って、多種多様な職業の家庭で育つ子どもたちと一緒に成長できるのがいいと思いました。」

子育て環境は、移住を考える上で重視される人も多いと思います。望月さんが望む環境は「多様な人がいる小さなコミュニティ」で、小田原にはそれがあると感じたようです。実際に移住してみて、どう感じたのでしょうか。

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望月さん「子育ての環境は、都市部と比べて待機児童も少なく、“保活” のプレッシャーは少ないです。近所の子どもたちを見ると、みんなおおらかに過ごしているなと思うし、近所同士でもどこのうちの子かくらいはわかって地域の目がある程度あると思うので、その意味では安心できますね。あえて不満を言うとしたら、中心部に子どもが行きやすい公園が少ないこと。とはいえ、中心部を少し離れれば大きな公園もあります。」

小田原は歴史的な観光地にもなっているため中心部には児童公園が少なく、飲食店も駅前は観光客向けのものが多いと話す望月さん。

望月さん「でも裏返せば、観光地になるほどの魅力のある地域だということですよね。また、それなりに大きいまちなので日常生活に必要な便利なお店は揃っていますし、スーパーでも魚が驚くほど新鮮で安いんです。さらに、小田原は昔からの街道筋、宿場町なので、地域の人たちも外の人を受け入れる土壌があって、地域のつながりはあるけど、干渉しすぎることもない、いいバランスだと感じています。」

住環境にかなり満足をしている望月さんですが、仕事をする上ではどうでしょうか。

望月さん「住み始めた頃は、ほぼ毎日出勤していましたが、新幹線で座って通えるので都内に住んでいたときより通勤は快適で、移動しながら仕事もできるし不満はありませんでした。

現在はリモートベースで、週に1回くらい会社や取引先に行くために東京に行っています。家を建てたときに、10年後くらいにはリモートワークも少しは普及するんじゃないかと考えて、小さな書斎というか仕事用のスペースをつくったのですが、ここまで世の中が変わるとは思っていませんでした。」

リモートワークがしやすい環境があるかどうかは、これから移住先を考える上で重要な要素になりそうですが、望月さんは先まで見据えていたようです。

望月さん「気分転換に海岸に散歩に行ったり、自宅ばかりでは体も頭も鈍るのでコワーキングスペースを利用したりすることもあります。小田原のコワーキングスペースは、都内と比べてゆったりしているのがいいですね。」

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散歩では、近所の「御幸の浜」から箱根や伊豆の山々を眺めるのがお気に入りという望月さん。自然の近くで仕事をすると気持ちにメリハリが付いて集中もできるようです。

暮らし面でも仕事面でも不満がないという望月さん。これから小田原で実現したいことは、どんなことなのでしょうか。

望月さん「移住者同士のコミュニティができてきていて、カフェや雑貨店を開く人も出てきています。小田原はお店を開いたりするハードルも都内と比べると低いと聞きます。地元でできた友人とのつながりも含めて、移住者目線でも小田原にもっといろんな人が来てくれるように、動いていきたいと思います。

実は小田原市は、起業・創業支援にも力を入れていて、経営者の心構えやビジネスプランの作成等を教える「おだわら起業スクール」も毎年開催し、卒業生の中からいくつものビジネスも生まれているのだとか。スモールビジネスを始めようという人にとっても、小田原はチャレンジしやすい環境なのかもしれません。

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多様でほどよく“ゆるい”、小田原のコワーキングスペース

さて、ここからは小田原市のコワーキングスペースをいくつか紹介していきましょう。望月さんもときどき利用しているという場所も含めて、小田原市内にある4つのコワーキングスペースで話を聞きました。働き方が多様化しているいま、その地域にどんなコワーキングスペースがあるかは、地域選びでも重要なポイントになりそうです。

小田原のコワーキングスペース #01  「旧三福」

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「旧三福」は、小田原駅からのアクセスもよく、昭和レトロの建物に木を基調とした内装で、なんだか落ち着ける場所という印象。2012年4月のオープンで、西湘エリア初のコワーキングスペースなのだとか。古いアパートをリノベーションし、1階にイベントスペース、2階に2室のコワーキングスペースがあります。このスペースを運営する、旧三福不動産の寺田まり子さんに話を聞きました。

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寺田さん「以前は、三福という中華料理屋だった場所ではじめました。同じ建物のなかで2年後に旧三福不動産を創業して今の形になりました。

コワーキングスペースの月会員は現在十数組で、ベンチャーの方もフリーランスの方もリモートワークのサラリーマンの方もいます。現状は自営業やフリーランスが多いですが、都内の会社に勤める方のリモートワークの問い合わせが増えてきています。」

「旧三福」には「人をダメにするコワーキングスペース」というコンセプトの部屋があるのだとか。そのコンセプトには、どんな背景があるのでしょうか。

寺田さん「物理的に場所を貸しているだけではなく、一緒に空間にいる人と気持ちよく過ごせる場になるよう努めています。そのためオフィスっぽくないつくりにし、片方の部屋は「人をダメにするコワーキングスペース」というコンセプトで、のんびりすることもできる場所にしています。それでも他の人がいることで仕事がはかどる、そんな場所を意識しています。

利用者さんは、昨年までは頻繁に飲み会やランチ会をやっていて、そこで親しくなって、お互いにお仕事を頼み合ったり、プロジェクトを一緒にやったりということが自然に起きていました。組織に属していない人が多いので、コロナが落ち着いたら徐々に再開して、仲間と一緒にいるのが楽しいと感じられる時間もつくっていけたらと思っています。」

コワーキングスペース「旧三福」DATA
小田原市栄町3-12-8
月会員10,000円/月(24h・365日利用可能)(※新規会員受付を一時停止中)
一時利用1,000円/日(10時~18時)*現在は土日祝のみ利用可能

小田原のコワーキングスペース #02  「Tipy crew」

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「Tipy crew」は、小田原駅近くのゲストハウス「Tipy records inn」が運営するコワーキングスペース。ゲストハウスの空いた部屋を利用したショートステイ形式で、全室個室になっています。特徴やコンセプトについて、「Tipy records inn」代表のコアゼユウスケさんに話を聞きました。

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コアゼさん「ゲストハウスはインバウンド、つまり外国人旅行者が主だったので、コロナ禍でお客さんが激減し、その有効活用のために始めました。ゲストハウスがそもそも全室個室なので、コワーキングスペースとしても個室での利用にしています。個室なので仕事や勉強にこだわらず、読書でも映画鑑賞でも、いわゆるサードプレイスとして使ってもらえればいいと思っています。」

もともとバンドをやっていて、今もバンドのようにメンバーとお客さんが協力していい空間をつくろうという気持ちで宿をやっていると話すコアゼさん。コワーキングスペースへは、どのような思いがあるのでしょうか。

コアゼさん「宿だけだと地元の人と交流することが難しいんですが、僕は地元の人と一緒に何かつくっていきたいと思っているので、地元の人と交流が生まれる場にしたいと思っています。現状では、利用者は小田原へ出張に来た人などが多いですが、地元での認知を広めて、地元の人と外から来た人の交流の場になれればいいなと思っています。」

ちなみに、母体の「Tipy records inn」は、思い出のレコードやCDを持ってくると500円引きというサービスもある「音楽」に力を入れた宿。

コアゼさん「小田原は鴨宮というところにライブハウスがありますが、音楽に触れられる場所が少ないんです。タワーレコードがあったんですがそれも数年前になくなってしまったので、文化に触れられる場所をつくれたらいいなと。各部屋にプレイヤーがあるので、海外のお客さんが持ってきた聞いたことのない音楽とかも聞けますよ。」

コワーキングスペースとしては変則的で、もともと働く場所としてつくられていないということはありますが、ゲストハウスでもあり、音楽というカルチャーが土台にあるのが特徴的。コアゼさんは「利用者と話す中で利用者同士や利用者と地元の人をつなげるニーズが見えてくるようなら、そのようなこともしていきたい」とも。これから新たなシナジーが起きる起点になりそうです。

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コワーキングスペース「Tipy crew」DATA
小田原市栄町2-4-13
平日(9時~21時)限定で1万5000円/月、または3000円/日

小田原のコワーキングスペース #03  「いこいの森 RECAMP おだわら」

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小田原駅から車で約10分、小田原厚木道路の荻窪ICから5分足らずのところにある「小田原市いこいの森 RECAMP おだわら」。その名の通りキャンプ場ですが、5棟あるキャビンのうち1棟と、川沿いのハンモック付きサイト2ヶ所をコワーキングスペースとして貸し出しています。どんな特徴やコンセプトなのか、RECAMP おだわら マネージャーの宮田蘭丸さんに話を聞きました。

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宮田さん「いこいの森を運営する株式会社Recamp(リキャンプ)は、全国で11ヶ所のキャンプ場を運営をしています。ここは以前は小田原市の森林組合の運営だったもので、今年から指定管理が始まりました。公民連携事業でもあるので、通常のキャンプ場より地域の場づくり的な側面が強くなっています。ですので、ただキャンプしに来るというより、生活の延長上にある様々な活動ができる場所と位置づけています。そうした中でワーケーション推進事業の採択も受けて、テレワークやワーケーション利用を強くしていこうと考え、コワーキングスペースを始めることになりました。」

ワーケーション(「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語)として、デイキャンプをしながら仕事もできるというのは魅力的。実際には、どのような利用者がいるのでしょうか。

宮田さん「特に都内や横浜に暮らす方がワーケーション的に利用することが多く、平日休日問わず、かなりの利用があります。近い将来、キャンプ場内にある小田原市の『体験交流センターきつつき』をコワーキングスペースとして宿泊者が使えるようにしたいので、それが実現すれば、さらにコワーキング利用は増えるのではと考えています。」

都心から車で1時間半ほど、そして小田原から箱根までは30分もかからないので、キャンプ場で仕事をして、少し足を伸ばして箱根の温泉に入って帰るという日帰りワーケーションができるのが人気の理由のようです。もちろん、小田原や近郊の人も気分を変えて自然の中で仕事をするのに最適なうえ、人気の公園「小田原こどもの森公園わんぱくらんど」も隣接。まちなかのコワーキングスペースとは違う魅力がありそうです。

コワーキングスペース「いこいの森 RECAMP おだわら」DATA
小田原市久野4294-1
一時利用のみ、一人500円/日(9時~20時)

小田原のコワーキングスペース #04  「BLEND」

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「BLEND」は、小田原駅から東海道線で2駅の国府津駅近く、保育園の2階にあります。眺望がよく仕切りもないワンフロアのスペースは、開放感も抜群のコワーキングスペースです。本職は建築会社の営業という代表の杉山大輔さんに話を聞きました。

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杉山さん「基本的に無人で運営していて、ワークスペースとしては立地的に贅沢な環境とは言えませんが、都会にはない環境で仕事ができるようにしています。海上でSUP(スタンドアップパドルボード)ミーティングや、海辺で焚火会議、田んぼでコーヒーを飲んだり、自転車で、別のエリアにポタリングなどができたり。SUP、MTB(マウンテンバイク)、焚火台、釣竿などが使えるようにストレージに完備し、頭を空っぽにしてアイデアが出やすい環境がつくれればいいなと思っています。」

かなりユニークなコワーキングスペースのようですが、どんな人が利用しているのでしょうか。

杉山さん「テレワークで利用する企業の方が多いです。有名企業の方も多くいて、フリーランスデザイナーや先生、農家の方まで幅広く使ってもらっています。近くの方だけではなく、SUPができる環境でと渋谷のオフィスと別に借りて、千葉から来る方も。月の利用会員数はおおよそ8人から10人くらいですが、コロナの影響でリモートワークの利用者が増えました。

コワーキング以外にレンタルスタジオや民泊、倉庫やレッスンスタジオなど幅広くやっているので、交流会をやると40〜50人ほど人が集まります。そこで新しい仕事が生まれたりしています。BLENDという名前も、地元の人と都会の人が混ざって新しいものが生まれたらという思いでつけたので、積極的に交流が生まれるようにはしています。」

もともと小田原の中心部で生まれ育ち、8年前に国府津に引っ越してきたという杉山さん。古い建物がどんどん壊されていくのを見て、残しながらも新しい使い方ができないかとコワーキングスペースを始めたそうで、そこから次々といろいろなスペースをオープンさせています。

杉山さん「人の少ないエリアに来る目的をつくり、来た人が地元のお店を利用してもらえるように、長く滞在してもらえるスペースとして、最初にコワーキングスペースをつくりました。そこからみんなが楽しくつながって活躍できるようなスペースをいろいろつくっています。地元の人にはいろいろと協力してもらっています。」

「BLEND」ができたあと、近辺に新しい「BLEND PARK」をつくり、かつての賑わいを少し取り戻している国府津。「BLEND」も杉山さんも、まちには欠かせない存在になっているようです。

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海のすぐ近くにある倉庫。イベントの利用がない時はここで仕事もできる

コワーキングスペース「BLEND」DATA
小田原市国府津2-4-4
月会員のみ10,000円/月(24h・365日)

 

今回は4箇所のコワーキングスペースをご紹介しましたが、小田原駅直結の「ミナカ小田原」にもコワーキングスペースが12月4日にオープンするなど、小田原のリモートテレワーク環境はさらに向上していくようです。

お話を伺ったみなさんが、口を揃えて「都心へのアクセスが抜群な上に、海や山、温泉にも近い」という立地を小田原の最大の魅力だと語っていたのが印象的でした。

移住先をお探しの方はぜひ一度、小田原を訪れてみてはいかがでしょうか。その際には美味しい魚を食べて、温泉に入って、コワーキングスペースにも立ち寄ってみていただけたらと思います。

※この記事は、神奈川県小田原市のご協力により制作しています。

文 石村 研二
写真 池田 礼