2022年の移住と関係人口を総まとめ!地域系サービス・メディアカオスマップ

2022年の移住と関係人口を総まとめ!地域系サービス・メディアカオスマップ

コロナ禍のリモートワークが続いている人も、出社勤務に戻った人も混在した2022年。SMOUTの一般登録者数は2020年2月から2.3倍に増え、約48,000人(2023年3月現在)に。SMOUTを利用して関係人口づくりや移住・定住促進を図る地域も増え、892市町村(2023年3月現在)になるなど、地方に接点や拠点を持ったり、地方に移住をする動きはますます広がりを見せました。

ここ数年を振り返ると、2019年には多拠点居住サービスや地域の仕事体験サービスが続々と立ち上がりました。2020年には、多拠点居住とワーケーションのサービスに加え、地域での副業、リモートワークや、地域のオンラインイベント・サロンの活性化が目立ちました。そして2021年には、サウナを巡る旅は“サ旅”など、観光(旅行)と関係人口の間にある、「観光2.0」が注目されました。

今回は、2022年を振り返り、関係人口から移住・定住までをカバーするサービス・メディアをまとめた「地域系サービス・メディアカオスマップ2022」について、最近の動向を俯瞰しつつ、特徴的なサービスやメディアをご紹介します。

※ 2021年のカオスマップ記事はこちら

まずは、2021年のまとめをおさらい

カオスマップ_2021版 (2)※ 画像クリックで元のサイズを閲覧することができます。

まずは2021年のおさらいから話しましょう。

2021年のカオスマップでは、向かって左に「関係人口」、右に「移住・定住」と軸を置き、地域系サービスやメディアを分布しました。この2021年の大きなポイントとして挙げられるのは、一つはカオスマップの左上に挙げた「観光2.0」。サウナや銭湯、キャンプやバンライフ、推し活といった、これまではこのカオスマップには入ってこなかった「交流人口」を示すような「観光」のジャンルが、「関係人口」に寄ってきたというのが特筆すべき点でした。

そして、左下に置いた「食・工芸・伝統」は、2020年のカオスマップには入っていませんでしたが、これも「観光2.0」と同じように、これまでもあったジャンルでありながらも、「関係人口」に寄ってきていることが特徴として挙げられました。

また、もう一つの大きな流れとして、地域の「空き家・リノベーション」関連サービス、「事業承継マッチング支援」関連サービスが新たな盛り上がりを見せました。

魅力や特色のある地域の学校に子どもを通学させるために移住を選択する流れがさらに強くなったのも2021年。地域への動きが加速し、オンライン相談のみならず、地域側の移住サポートの充実も見られました。

2022年、移住・定住や関係人口のための地域系メディア・サービスの特徴は?

banner_カオスマップ2022_拡大用トレンドを踏まえ「バーチャル空間」「NFT」、さらに「セカンドホーム」「インバウンド」「交通・MaaS」「地域との共創」など新しいカテゴリを新設した ※ 画像クリックで元のサイズを閲覧することができます。

それでは、2022年のカオスマップを見ていきましょう。

はじめにお伝えすべき点として、「地域系サービス・メディアカオスマップ2022」における大きなポイントとして挙げられるのは、これまで「関係人口」から「移住・定住」という範囲で見ていたカオスマップですが、今回から「交流」という裾野まで視点を広げたこと。

向かって左から、観光の延長で地域に触れる「交流」、“風の人”として地域と関わる「関係人口」、新しい働き方・暮らし方を見つける「移住」、“土の人”となり地域に根を張る「定住」と、4つのレイヤーを置きました。

「関係人口」のレイヤーが「交流」とまたいだサービス、もしくは「移住」とまたいだサービスが増えたことが2022年の特徴の一つです。

それでは、特にピックアップしたい特徴的なサービスやメディアを、少し詳しく見てみましょう。

・気軽に参加できる、「仮想空間」での交流

スクリーンショット 2023-03-23 16.50.50「ovice」ページ

ここ数年、インターネット上のバーチャル空間が、サービスとしても盛り上がりを見せています。背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大によって外出自粛があったこともありますが、例えばバーチャル空間「ovice(オヴィス)」は、移住相談やUIターン相談のオンラインイベント会場になるなど、地域に足を運ぶ前に気軽にリサーチをする場として使われました。

また、「Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)」の頭文字を取った「NFT」は日本語で「非代替性トークン」という意味ですが(ちなみに仮想通貨は「代替性トークン=FT」)、地域でデジタル通貨として使われ始めています。例えば、「ルーラコイン」は全国の観光地・温泉地で利用できる観光に特化した地域デジタル通貨ですが、2022年にリリースされて以来、2023年3月現在、全国の22地域・135店舗で導入されているなど、急速に利用が広がっています。

通常のオンラインイベントでは相手の話を「聞くだけ」になりがちですが、バーチャル空間で自由に動いて別の話を聞いたり、イベントの前後で登壇者や参加者同士でちょっとした立ち話ができるなど、気になったタイミングで思い通りに行動ができる体験できる「バーチャル空間」を活用した動きは、デジタル通貨の利用も合わせて、2023年も引き続き注目されそうです。

・もう一歩、地域に踏み込む「ディープ観光」

スクリーンショット 2023-04-20 9.40.13「YAMAP」トップページ

2021年のカオスマップでも取り上げた「サウナイキタイ」のほか、「YAMAP」や「アソビュー!」など、2022年に動きが目立ったのがディープな観光。例えば「YAMAP」は、電波の届かない山中でも現在地がわかる、登山地図GPSアプリとして2013年にリリースされましたが、2022年には300万ダウンロードを突破。現在は環境を守る活動にまで、その範囲を広げています。

以前からある「登山」と趣がやや異なるのは、世代が代わり、下山してからも地域のゲストハウスに宿泊するなどして、地域の“人”と積極的に関わり、その地域の活動にも関わって、地域を離れてもその関係性が続いているという点。コロナ禍の収束で地域へ足を運びやすくなっている2023年は、ディープな観光という地域との接点がますます増えそうです。

・地域を舞台とする「まなびの場」

これまでにも地域を軸に置くスクールは多く登場していますが、ここ数年を振り返ると、2013年に、これからの「生き方」と「しごと」をつくる「地球のしごと大學」が開校。その後、2020年には次世代の観光人材を育成するアカデミー「Tourism Academy SOMEWHERE」や、NPO法人グリーンズが運営する、サステナビリティを実践者同士が学び合うラーニングコミュニティ「サステナビリティカレッジ」がスタート。そして2022年、TABIPPOが運営するニューノーマルトラベラーが育つ学校「POOLO(ポーロ)」が登場しました。

スクリーンショット 2023-04-20 9.42.04「POOLO」Webサイト

2021年には、兵庫県豊岡市で芸術文化と観光分野の二つの視点から新たな価値を創造する人材を育成する「芸術文化観光専門職大学」が開学していますが、このことからも、“地域×◯◯”の◯◯の部分に「観光」の領域が色濃く入ってきていることがうかがえます。

・食を通じて地域を盛り上げる「商品化・共創」

「関係人口」のレイヤーの中でも増えているのが、産直サービスを含め、地域の農産物を食べることで地域とつながる消費行動。これまでの“お取り寄せ”とは異なり、食を通してその地域に触れたり、地域発のブランドを選択することを通じて地域に触れる関係人口が形成されています。

例えば、採れたてのオーガニック農作物を生産者から直接購入できる「食べチョク」は2017年に登場したサービスですが、2022年には30〜50代を中心に利用者が増加し、年間流通額は2019年と比較して2年で約128倍に成長したのだとか。新しい取り組みに積極的なアーリーアダプター層だけでなく、より広い層へと広がり始めていると言えそうです。

・SNSアプリで深まる、地域コミュニティ

地域ごとのSNSを中心とするアプリによるコミュニティは、ここ数年でどんどん広がりを見せています。例えば、2015年に始まった地域SNSアプリ「PIAZZA(ピアッザ)」は、地域に住んでいる人、働いている人、行政などが登録し、情報の発信や交換などを安心・気軽にできるアプリですが、2022年には50を超える地域が参画。住民同士で情報を交換したり、ご近所さんと不用品を物々交換したりと、便利さと楽しさを併せ持つオンライン空間で、行政が市民、区民への情報発信をしています。

現在のところ、これだけ情報社会が進展しても掲示板や回覧板といったツールはなくならず、それに置き換わるほどのものがまだ登場していないことを示唆しているように思いますが、2016年に登場した、みんなのまちの掲示板「ためまっぷ」は、少しずつ事例を重ねながら、情報伝達の手段としての活用だけでなく、市民が主体の地域コミュニティづくりが進んでいるようです。

いかがでしたでしょうか。関係人口を生み出す裾野がさらに広がりを見せた2022年。移住を考えているみなさんにも、関係人口の創出をしたい地域のみなさんにも、「地域系サービス・メディアカオスマップ2022」が参考になれば幸いです。

※ 掲載したロゴ・サービス名称について

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文  SMOUT移住研究所 編集部